なでしこジャパンは3日、パリ五輪準々決勝でアメリカと対戦し、延長戦の末0-1で敗戦。2大会連続の準々決勝敗退に終わった。
日本は初戦でスペインに敗れたものの、ブラジルとナイジェリアに連勝してグループC2位で準々決勝へ進出。ベスト4入りをかけた相手は、グループ3連勝の女子サッカー大国アメリカとなった。
日本はここ2試合と同じく3-4-3のシステムでスタート。GKは山下杏也加。DFは右から古賀塔子、熊谷紗希、南萌華と並び、ウィングバックは右に守屋都弥、左に北川ひかる。
中盤の底は長野風花と長谷川唯、前線はシャドーの右に藤野あおば、左に清家貴子、1トップに田中美南が入った。
アメリカは4-3-3がベースだが以前のように個を前面に押し出すのではなく、ボールを動かしながら相手の隙をうかがっていく戦い方。新たに就任したエマ・ヘイズ監督のもとで培ってきたポゼッションスタイルだ。
そのアメリカに対し、日本はコンパクトな5-4のブロックを作って粘り強く対応。奪った後は鋭いカウンターを繰り出すという、やり慣れた戦術でアメリカに対抗していく。
集中力の高い日本を相手にアメリカは攻めあぐね、徐々に自分たちの時間も作り始めた日本は田中と守屋がエリア内で決定機。しかし先制点を奪うには至らず。
試合はスコアレスで折り返し、日本は後半頭から清家に代えて浜野まいかを投入。アメリカにとってはハーフタイム後に状況を変化させたいところだったが、むしろ日本がアメリカゴールへ迫る場面が増えていく。
その後も70分に田中を植木理子、80分に藤野を宮澤ひなたに代え、ピッチ上のフレッシュさを維持した日本。0-0で迎えた延長戦には古賀に代えて高橋はなを入れ、守備陣のテコ入れも行った。
しかし延長前半アディショナルタイム、この日何度も日本の左サイドを脅かしていたトリニティ・ロッドマンへロングパスが通ると、「NBAレジェンド」デニス・ロッドマンを父に持つ22歳は鋭い切り返しで北川を交わして左足を一閃。これがゴール左上隅へ突き刺さり、アメリカが待望の先制点を手にする。
残り2つの交代枠も使って同点を目指した日本だが、試合を通してファイナルサードでのプレー精度を欠き、アメリカのゴールをこじ開けられず。アップセットを起こすことはできなかった。