いよいよ週明けから活動がスタートする日本代表の10月シリーズ。サウジアラビア、オーストラリアとの連戦は最終予選前半戦の山場だと言える。
そんな代表チームに、9月の初招集に続き呼ばれた数少ない国内組の一人がFC町田ゼルビアのDF望月ヘンリー海輝だ。
192cmの長身に高いフィジカル能力と実戦的な技術を備える23歳は、今年国士舘大学から町田へ加入。スケールの大きな右サイドバックとして出場機会を伸ばし、日本代表の森保一監督から高い評価を受ける存在になった。
しかし一方で、望月自身は現在の状況にいまだ戸惑いを隠せない様子。1-4で敗れた5日の川崎フロンターレ戦後、その苦悩を吐露した。
「最初、何もない状態から『代表選手』と付いたときはやっぱり“起伏”というか難しいものがあったんですけど、悪い意味じゃないですけどもう付いてしまったので、僕にはもうどうしようもないので、割り切ってやっていくしかないかなと僕は思っています」
「(日本代表という肩書きは重荷?)軽いものではないですし、そういうフィルターがかかって見られると思います。(代表に)呼ばれることはうれしいことですけど、見られ方はまた変わってくると思うので、そこは、ちょっと難しいですけど、そういう見られ方をされてもマイナスに見られない選手にどんどんなっていけたらなと思います」
望月の初招集時、「完成している選手だと思って招集しているわけではない」と森保監督は会見で語っていた。しかし本人の中では日本代表の肩書きと現状にまだうまく折り合いがつけられず、“ギャップ”に苦しんでいるようだった。
ちなみに望月は川崎戦、これまで定位置だった右サイドバックではなくセンターバックとして出場。大きなミスはなかったもののポジショニングや守備対応などに迷いが見られ、結果としてチームは4失点している。
隣でプレーする元日本代表の昌子源からは「もっと声をかけろ」とよく言われているという。
このように、まだまだ選手として成長途上であることは間違いないが、何を言っても望月が日本代表選手であることに変わりはない。そのことは、彼も十分に理解している。
「前回(9月)は試合のメンバーにも入ることができなかったので、まずメンバーに入れるようにアピールしていきたいですし、試合に出場する気持ちを常に作りながら活動していきたいと思います」
日本代表の目標はあくまで2年後のワールドカップ。その舞台でチームの一員として成功を収めるため、悩みながらも前進しつづける望月の成長に注目したい。