ソニー仙台の誇りを胸に
吉野の最後の勇姿を観ようと仲間たちが集った。この日仙台大時代にボランチでコンビを組んだ鈴木大貴さんは埼玉県から駆けつけ、背番号14の奮闘を客席から見守った。
鈴木さんは「ケガをしていると聞いていたので試合に出られるかなと思っていましたけど、今シーズンはキャプテンもやっているので、チームに影響を与えられるような選手なんだとすごく感じました。最後にすごくいい形で終えられたと思います。サッカーが大好きで仲間を鼓舞したりと、いろんな人を巻き込む力が蓮のいいところだと思っています。本当にお疲れ様という言葉を届けたいです」と大学時代の相棒を労った。
大学時代の同期で鈴木さん、吉野主将とともに仙台大サッカー部で汗を流した本吉佑多さんは「本当にサッカー人生お疲れ様。これからの人生はサッカー以上に多分大変なことや、楽しいことがたくさんあると思うので『一緒に頑張りましょう』という言葉をかけてあげたいです」と口にした。
仲間たちの声援を受けて奮闘した吉野はケガを感じさせない動きで相手の攻撃を封じ、前線への攻撃参加を見せるなど短い出場時間ながら大きな存在感を見せていた。
「家族、妻、大学の同期、仲間たちの声援は『自分のサッカーをやろう、今週もきょうも頑張ろう』と思える活力になっていたので、感謝しかないです。そういった方々にピッチの上でプレーをしている姿を見せられてうれしく思います」とこれまで支えてきた仲間、家族に深く感謝していた。
現役引退後は未定だが、ソニーグループの社業に専念したいと考えている吉野主将。ソニー仙台の選手として培ってきた経験を今後のセカンドキャリアに生かそうとしている。
「最後まで諦めない気持や常に学ぶ姿勢、常に上を目指すところは社業に専念するところでもメンタリティの部分が必要になってくると思います。サッカーで得た経験を生かしていきたいです」とソニー仙台の誇りを胸に新たなステップを切る。
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試合を終えた吉野主将は「サッカー人生をやりきったので大満足です」と満面の笑みを浮かべた。これまでソニー仙台で豊富な運動量で攻守に奮闘してきた男は、新たなステージでも粘り強さと真摯な姿勢を見せて活躍するだろう。吉野主将、現役生活お疲れさまでした。
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