【J1第38節名古屋グランパス2-0横浜F・マリノス、8日、神奈川・日産スタジアム】

名古屋は2-0で横浜FMに勝利した。JリーグYBCルヴァンカップのプライムラウンド準決勝以来の対決となった両者だったが、前半24分に名古屋MF和泉竜司が先制点を記録すると、後半26分にはFW山岸祐也が追加点を挙げた。試合はそのまま終了し、名古屋がリーグ戦6試合ぶりの白星を飾り、J1を11位(勝点50)で終えた。

「ミッチは素晴らしいキーパーだった」

無失点勝利に貢献した名古屋GK武田洋平は、今季限りでクラブを退団するGKミッチェル・ランゲラックの想いを背負ってピッチに立った。

「7年も一緒にやってきたミッチ(ランゲラック)をたくましいと思っていますし、(ランゲラックは)常に高いパフォーマンスを出し続けていた。きょうみたいに、試合に出ることで感じますが、こんなに難しいことを彼はよくやり続けていたなって…。本当にすごいですし、彼の人間性もあってのことだと思います。『ミッチは素晴らしいキーパーだったな』というのを、改めて感じました」

今季限りで退団する名古屋の守護神ランゲラック

今季のリーグ戦出場が4月13日に行われたJ1第8節ジュビロ磐田戦(1○0)までさかのぼる背番号16は、試合の2日前に長谷川健太監督から先発を任された。横浜FM戦に向けた練習のウォーミングアップ中に、腰を痛めたというランゲラック。名古屋のゴールマウスをともに7年間守り続けた守護神のすごさを誰よりも近くで見てきた武田にとって、この日の欠場は寝耳に水だった。

「2日前の練習が終わってから、ミッチが無理かもしれないと聞きました。『まじか』となりましたね」

最終節のゴールマウスに立った37歳のベテランは、「やれることをやる」と平常心で試合に臨んだ。

試合は立ち上がりからこう着状態が続いたが、和泉、山岸がゴールを挙げるなど、攻撃陣が躍動。2試合連続でネットを揺らせなかったアタッカーたちは守護神を最高の形で送り出そうと意地を見せた。

第2GKとして、日々の練習から準備を欠かさずにいた武田は、リードしてからも気を緩めずに、味方に向かって声を出し続け、チームを鼓舞した。

「前節(J1サガン鳥栖戦0●3)は、内容もあまり良くなくて、負けてしまった。きょうは(試合の)入りから集中していましたし、みんなが頑張ってくれました」