近年、中国はサッカー界の汚職摘発と撲滅に取り組んできた。

9月には賭博や八百長の疑いがあるサッカー選手43人を永久追放。

そして、先日には中国代表の李鉄元監督に収賄罪などで懲役20年の有罪判決が下された。47歳の李鉄は、中国代表選手として活躍した後、指導者に転向。2019~2021年まで中国代表監督を務めた。

中国人民検察院によると、李鉄は2015~2021年に7700万元(約16億円)を不正に受け取ったほか、代表監督の地位を得るために賄賂を贈り、プロチームの監督時代には選手に八百長をさせるためにチームとともに4000万元(約8.4億円)を受け取っていたとか。手にした金は総額1.2億元(25.3億円)ほどになるとされており、懲役20年でも軽いという声が国内にはある。

『新浪公司』によれば、李鉄の第一審には9か月近くの時間がかかっており、2~3か月とされる一般的な事件と比べてかなり長かったという。

事件が複雑であったり、特別な事情がある場合は、最高人民法院に審理期間の延長を要請することができ、これが李鉄事件にも適用された、とのこと。

一審で争点になったのは、李鉄の身分。検察側は、代表監督だった当時の李鉄は、みなし公務員であり、収賄罪に該当すると考えていたが、弁護側はその主張に反論していた。

中国には、非公務員による収賄罪も規定されている。公務員による収賄罪と非公務員の収賄罪の最も根本的な違いは、法定刑の上限だそう。非公務員収賄罪の上限は、10年以上の懲役または終身刑であるのに対し、公務員による収賄罪の法定刑の上限は死刑。

李鉄は、一審で非公務員収賄罪で有罪となったため、懲役20年の判決を受けたとのこと。

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その李鉄が道を踏み外した主な原因は、即座の成功と利益を得ようしたことだそう。

本人が今年1月に「とても後悔している。私は地に足をつけ、正しい道を歩まなければならない。すぐに成功し、すぐに利益を得ようと躍起にならず、あらゆる手段を使って近道をしようとしないことだ」と告白していたとのこと。

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