新潟へ復帰した2013年にはエジミウソンを超える23ゴールを挙げて大ブレイク。未だ破られていないクラブ記録を樹立している。本格派ストライカーの誕生だった。

「正直、点を取る自信は以前からありましたけど、岡山でその自信を確信に変える経験を積ませてもらえましたし、新潟でも周りの選手に恵まれました。僕は自力で点を取れるタイプではないので、アシストしてくれた選手たちのおかげです。

それと、普段から東口順昭さん(現ガンバ大阪)のような代表レベルのGKを相手にシュート練習を続けていると、駆け引きも含めたシュート技術が自然と身に付きますよね」

30代でゴールを量産する大迫、中山、大久保に続け!

J1得点ランク2位の23ゴールを挙げ、年間ベストイレブンにも選出された川又のもとには獲得のオファーが殺到。2014年の夏には「5チームあった」というオファーから名古屋へ電撃移籍を果たす。

名古屋では得点数は伸びなかったものの、FWとしてのプレースタイルを拡げ、2017年に加入した磐田で開花。初年度に14ゴール7アシストを挙げ、近年低迷するサックスブルーのチームを6位躍進へ導いた。翌年も11ゴールを記録するなど、より万能なストライカーへと変貌を遂げた。

「それまでの自分はクロスに合わせたり、裏へ抜ける動きなど、ゴールに直結する動きしかなかったんですが、名古屋では西野監督の下でポゼッションサッカーに取り組む中、攻撃の起点となるポストプレーを磨いて、自分のプレースタイルが拡がったと思います。

磐田では監督の名波さんやMF中村俊輔さん(横浜FCコーチ)のチカラをお借りして、FWアダイウトン(FC東京)やMF川辺駿(スタンダール・リエージュ)といった選手たちと上手く連携をとって、良いサッカーをして結果を出せていたと思います」

10月14日には34歳となった川又だが、現在J1得点ランクトップタイの21ゴールを挙げてヴィッセル神戸を首位に押し上げる元日本代表FW大迫勇也は33歳。そして、現役時代の中山雅史も33歳で自身2度目の得点王に輝き、翌年も16ゴールを挙げている。

31歳だった2013年から2015年にかけてJ1で唯一3年連続得点王に輝いた大久保嘉人氏も含めて、30代になってから改めてゴールを量産するストライカーは多い。

取材後、沼津は懸念されていたJ2ライセンスの取得を発表。残り5試合でJ2昇格圏内の2位・鹿児島ユナイテッドとの勝点差は9と厳しい状況だが、終盤戦に入って唯一コンディションを上げている川又はJ2昇格へのキーマンだ。

「ここからバンバン点を取って、お世話になった人達へ恩返しをしていきたいと思います。期待しておいてください!」

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日本代表を経験し、Jリーグ通算95ゴールを挙げている男が再起を誓い、戦う姿から目が離せない!

【プロフィール】川又 堅碁(かわまた けんご)

1989年10月14日生(34歳)/愛媛県西条市出身/FW/184cm77kg

2006年、愛媛県立小松高校2年時に当時J2の愛媛でJリーグデビュー。高校卒業後の2008年よりJ1・新潟へ入団。リーグではプロ4年目まで無得点が続いたが、2012年に期限付き移籍したJ2・岡山で18ゴールを挙げて点取り屋として覚醒。新潟へ復帰した2013年にはJ1得点ランク2位の23ゴールを挙げて大ブレイク。J1では新潟・名古屋・磐田の3クラブで通算213試合出場70ゴールを積み上げ、2015年にデビューした日本代表でも9試合出場1ゴールを記録。2023年は無所属のままリハビリに専念していたが、8月に練習参加していた沼津への正式加入が発表され現在に至る。

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