11月9日、来年の南アフリカW杯に向けた日本代表の新ユニフォームが発表された。
デザインとともに大きな話題となったのが、環境やコンディションに合わせて、FORMOTION <フォーモーション>、TECHFIT <テックフィット> という2種類のユニフォームから、選手自身が好きな方を選べるようになったことである。
FORMOTIONは軽さや吸汗速乾性、動きやすさなど、“快適さ”を重視した従来型のモデル。一方のTECHFITはX型のパワーバンドが特徴で、筋肉を固定し正しい姿勢を維持することによって運動能力を引き出す、よりアスリート志向のモデルである。【選手のスタイルに合わせた系統別のモデル】と言えば既にスパイクでは常識となっていたが、ついにその波がユニフォームにまで及んできたようだ。
さて気になるのは、日本代表の選手たちが実際にどちらのユニフォームを選んだかということである。さっそく、ニューモデルのお披露目となった国際親善試合の南アフリカ戦、続くアジアカップ予選の香港戦の出場選手を見てみよう。なお、長そでは(長)、最近流行の≪半そでプラス長そでのインナー≫は(半+)と付記した。
TECHFITには、FWや長谷部、徳永といった、一瞬の加速や運動量を持ち味とする選手たちが並んだ。唯一2試合で別々のモデルを着用していたのが中村俊輔。新ユニフォームのお披露目後に「試してみたい」と語っていたTECHFITを1戦目で着用したが、香港戦で変更したことを考えると、やはり本命はFORMOTIONの方か。今年春の時点では日本代表の選手にほとんど見られなかった、≪半そでプラス長そでのインナー≫の選手が大きく増えていたことも印象に残った。
ところで、FORMOTIONとTECHFITから選択できるようになったのは何も日本だけではない。11月にアディダスの新ユニフォームが発表された国の多くが同様である。そこで今度は、特に強豪国の選手たちがどういった選択をしているか、各チームの先発11人だけではあるが見ていきたい。
スペインとフランスは、スタイルの違いが現れたと言うべきか、見事に対照的な結果となった。両者と比べれば、日本はやはりスペイン型のチームということになるだろうか。フランスのグルキュフは中村俊輔と同じく14日の試合でTECHFITを着用。また、今回調べた4カ国の中で唯一人、アルゼンチンのセルヒオ・ロメロがGKでTECHFITを選んでいた。そう、2種類あるのはGKも同様なのである。
本来ここに併記すべき、アディダスのお膝元であるドイツも当然新ユニフォームは発表済みなのだが、両モデルを見分けるときに重宝するパワーバンドの有無が白いユニフォームの場合非常にわかりづらいため、調査失敗に終わった。(同様の理由で、水色と白のアルゼンチンにも誤情報が含まれている可能性は否めず)
どうだったであろうか。個人的にはもっとTECHFIT側へ振れると考えていたが、選手によって好みはまちまち。アディダスが2種類用意したのも納得の結果であった。このように、今後は選手が着ているユニフォームの種類に注目してみるのも面白いかもしれない。

【参照】 adidas Japan : adidas×サッカー日本代表 | PRODUCT


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