アルゼンチン×韓国戦の終了後から、アルゼンチン国内では、「遂にバティストゥータ2世が現れた!!」という論調が強さを増している。そう、韓国戦でゴンサロ・イグアインがハットトリックを決めたからだ。アルゼンチンの選手がハットトリックを記録したのは、98年大会のバティストゥータ以来の快挙。“バティゴール”が見られなくなって以降、これまで純正ストライカーの台頭が久しくなかった、“セレステ・イ・ブランコ”に登場した彼の存在が国内を沸き立たせているのだ。
イグアインがバティストゥータと肩を並べるまでの地位を確立にするには、まだまだ先は長いが、自身にとって初の世界大会で3得点を奪ってみせた力は、“何か持っている”と言わざるを得ないだろう。
「最も重要なことはアルゼンチンを連勝に導けたことだ。ただ、初戦のナイジェリア戦で似たようなシュートチャンスで外してしまったので、正直安心したよ」
「この試合で、僕らがW杯を優勝するに相応しいチームであると証明したかもしれない。だけど、より良い集団になるべくレベルアップを図っていきたい」
当の本人は、淡々と語っていたが、サッカーファンにとっては、今大会で彼がどこまでゴール数を伸ばせるか、そして、バティストゥータにどこまで近づけるかという楽しみが増えたことだろう。
ちなみに、初めてワールドカップでハットトリックしたアルゼンチン代表選手を探すには、30年のウルグアイ大会まで遡り、ギジェルメ・スタビレという当時のエースストライカーの名を見つけなければならない。それから64年後のアメリカ大会で記録したガブリエル・バティストゥータは、98年のフランス大会でもハットトリックを達成し、2大会連続ハットトリックという、W杯記録を樹立している。