Lorient
2
1-0
1-0
0
Lyon
ガメイロ(PK)
キタンバラ
9'
67'

得点者



息子がリヨンへの移籍を果たしてから僅か5日、運命付けられていたかのように早くもグルキュフ親子の対決の日がやってきたが、勝利したのは父親率いるロリアンであった。

試合の内容でも、ロリアンはリヨンを上回った。ロリアンの強みは、なんと言っても父親クリスティアン・グルキュフが作り上げた組織的な堅守速攻戦術。選手がコロコロと変わる小クラブの環境の中でも全くブレずにこのサッカーをやり続けてきた。

常に配置はFW、MF、DFをフラットに並べる3ラインの4-4-2。2トップは必ず相手のDFからボランチへのパスコースを切り、中盤と連動して挟み込む。さらに最終ラインを高い位置に保ってコンパクトなブロックを形成してスペースを消し、ボールを奪ったらスピードがあるFWが裏に走るか、逆サイドのスペースに選手が飛び出していく。守備意識の高さと組織力はリーグでも群を抜いている。

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特に試合が始まってからしばらくはリヨンの攻撃を面白いように止め、7分にロリスのキックミスからのカウンターでトゥラランのハンドを誘い、PKを獲得して先制点を得る。徐々にリヨンにボールは繋がれるようにはなったものの、後半に投入されたばかりのディアラのドリブルからチャンスを作り、アマルフィターノのシュートをロリスが弾いたところをキタンバラが叩き、追加点を奪取。この2点のリードを最後まで守りきり、勝利に結びつけた。

ロリアンは開幕から3試合で1分2敗と苦しんでいたが、オセールから獲得したばかりのキタンバラが早くもチームにフィットしたことが勝利に結びついた。ガメイロとの素晴らしい連携を見せただけではなく守備のタスクにも順応しており、今後が非常に楽しみな試合であった。

対して、リヨンはキックオフ時のフォーメーションでは完全にロリアンの守備にハメられてしまった形であったが、デルガドの怪我を切っ掛けに息子ヨアン・グルキュフを投入して4-2-3-1に変更。

ロリアンの戦術に弱点があることは比較的よく知られている。それは「ラインが下がるとボランチと最終ラインの間がぽっかり空くこと」だ。誰かがアンカーの役割に回る形がそもそもシステム上用意されていないため、たとえばサイドを徹底的に破られたり、中盤の中央で数的不利になり繋がれてバイタルエリアでボールを何度も収められたりすると、この欠点が浮き彫りになる。

リヨンはさらに後半の早い時間でピャニッチを投入する。中盤の中央を2人から3人に、さらに攻撃的選手を入れて「弱点を突こう」という意識は確実にあった。そしてボールは明らかに回るようになった。

しかし、チームに合流したばかりのグルキュフは、基点となってボールは受けられるものの、そこからの展開が作れず。キタンバラとは違い、チームにフィットし切れていないところを露呈した。そのためリヨンは攻撃はすれども相手の最終ラインを崩すような形はあまり作れず、ロリアンの組織力の前に完敗を喫することとなった。


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