香川自身、序盤こそチーム同様に苦しんだものの、ここまでシーズンMVP級の活躍を続けており、後半戦を棒に振った昨シーズン同様の輝きを維持している。もしも、彼が今季もマイスター・シャーレを掲げ、「ドイツの地でやるべきことはやり終えた」と感じているのであれば、移籍実現もそう難しい話ではない。ただし移籍するとなれば、厳しい戦いを求めてさらなる才能との争いになるのは明確だ。
契約に関して、ドルトムントは現状を倍増して3億円台の契約を持ちかけていると噂されているが、プレミアのビッグクラブに移籍すればその倍近くは簡単にいくだろう。しかし、個人的には給与待遇は香川にとって大きな問題ではないと推測している。
さて、私がこの件を取り上げることになったのは、その移籍先にマンチェスター・ユナイテッドが上がったことからであるが、端的に私見を申し上げれば香川のユナイテッド移籍は無いものと思っている。
まず、ユナイテッド、と言うよりもサー・アレックス・ファーガソンは以前よりマリオ・ゲッツェに興味を抱いてきた。個人的には以前から「ヌリ・シャヒンをスコールズの後釜に」と思っていたのだが、サー・アレックスはゲッツェに夢中の様子で、彼がドルトムントとの長期契約を結んだ今もなおその関心は衰えていないと言われている。つまり、ユナイテッドの中では「香川<ゲッツェ」という関係にあるのだ。
そして、次に問題視されるのはポジションだ。香川といえば、どう考えても二列目の選手であることはみなさんお分かりであろう。デビュー当時でこそ深い位置でプレーしていたが、今では完全に二列目で輝いている。ここに私は香川がユナイテッドに来ない理由を当てはめる。