かつてのウィンガーと言えば、「優れたスピードや変幻自在のドリブルでサイドを制圧し、中央へクロスボールを供給する」というのが主な仕事であったが、現代サッカーにおいては、その役割は多岐に渡る。そのため、「縦への突破を好むもの」、「中央へのカットインを好むもの」、「パスワークでチャンスを作るもの」、「積極的にゴールを狙っていくもの」と、ウィンガーのバリエーションは多彩化の一途を辿っている。

イギリスの人気Webサイト『caughtoffside』で紹介された、「2011/12シーズン版、プレミアリーグベストウィンガートップ10」にノミネートされたプレーヤーを取り上げ、各々の特徴も見てみよう。

第十位 アントニー・ピルキントン(ノリッチ)

ウイングとフォワードの両役をこなし、利き足とは逆のサイドでのプレーを好む、流行型のウィンガー。スピードを備えるだけではなく、両足から力強く正確なキックを蹴ることができ、ドリブルからのミドルシュートも得意。そのため、下部リーグ時代には主にストライカーとして活躍していた。なお、2008年にアイルランドU-21代表に参加した経歴を持つが、イングランド国籍の選手として見なすメディアも多い。

第九位 セオ・ウォルコット(アーセナル)

言わずと知れた、イングランドを代表する光速ウィンガー。サイドハーフとして起用されていた当初は、自慢の快速を活かしてサイドを抉り、そこからのプルバックでチャンスを作るプレーを十八番にしていたが、ここのところはカットインも増加。味方のパスでDFラインの裏を抜け出す形もモノにしてきており、得点能力も向上している。課題は怪我の多さと安定感のなさ。

第八位 セバスティアン・ラーション(サンダーランド)

優れた突破力は備えていないが、正確無比のキックを武器に決定機を創造する、プレミア屈指のプレイスキッカー。その右足から繰り出されるボールは質、精度と共に申し分なく、2007/08シーズンには、OPTAスタッツの「フリーキック精度」部門で1位に輝いている。なお、アーセナルでプロデビューを飾った当時のポジションはサイドバックであった。