京都サンガのバドゥ監督は、トリックプレーを好む監督である。以前にはこんな奇怪なセットプレーを見せこちらも話題となった。
Jリーグの出来事が世界で大きく扱われた例は他にもある。昨年末のJ1で生まれた田中達也のゴールはスペイン紙『MARCA』が特集し、中村俊輔の見事すぎるキックは英国中で話題となった。
当時ヴィッセル神戸に所属していた都倉賢がゴール後に見せたマリオ・バロテッリライクなゴールパフォーマンスにも、世界中から大きな反響があった。
サッカーの世界で最も大切なものは、「勝ち点3」に他ならない。結果の前ではどんなスタイルも無力と化し、差し詰め結果で判断されるのがこの世界の掟である。
しかし、だ。結果以上に意味を成すものも時にはある。
京都サンガという世界的に見て決して大きなクラブではない集団が、このような媒体で取り上げられることは限りなく大きい。
「JapanのKyotoにこんなFantasticなClubがあるのか!」という存在を知った外国人観光客は、ひょっとすると西京極を訪れるかもしれない。楽しいことが大好きな海外の富豪オーナーが、京都サンガとプレシーズンマッチを組むことになるかもしれない。
これはあくまで可能性である。しかし、そういった小さな可能性を広げていくことこそ、Jリーグが目論む国際展開に繋がっていくはずだ。
このゴールを見た京都のバドゥ監督は、誰よりも喜び、その感情を爆発させた。一見ハードボイルドな匂い漂うバドゥ監督だが、その独特のキャラクターで知名度をじわりじわりと上げており、今後私たちをより楽しませてくれるに違いない。
日本の古都にはこんなに楽しいサッカークラブがある。Jリーグを愛する私たちは、声高にそう叫びたい。