11位 クリスタルパレス @Official_CPFC

駄目な意味で懲りないところがある、攻めたがりのイアン・ホロウェイちゃんが以前のブラックプールみたいなサッカーをぶちかまそうとして酷いことになった後、就任したのは生きる伝説トニー・ピューリス。中途半端にグダグダだった攻めたくて仕方ない烏合の衆を「組織」として作り直すという無理難題をキッチリこなしてしまった。シャマクみたいなちょっと後ろ髪を伸ばしちゃうような不良が、ピューリスの前では優等生のように守備に参加するのだからロッカールームで何が行われているのか知りたいものである。ごくせんやGTOの世界である。何度も言うが、今季の「守れないプレミア」では守備力があるチームは貴重。しかも失点しても「相手は実は守れないぞ」ということを知っているので諦めずに機会を虎視眈々と待つ。そのプレミアに対する理解が、リバプール戦の奇跡を生んだはずだ。日本語に訳すと水晶宮。ラスボスが住んでるダンジョンみたいな名前である。

マルアン・シャマク

今季開幕からウイングやセカンドトップとして活躍したモロッコ人FW。アーセナルでは強さが足らないのにテクニックだけで小技を見せる中途半端なセンターフォワードだったが、仕事を限定してやれば十分にやれるテクニシャンであることを示した。ピューリスが就任して以降は別人のように守備をやっていたのも面白い。

キャメロン・ジェローム

ストークのジェットストリームアタックを支え、クリスタル・パレスでもジェットストリームアタックを仕掛けたカウンターの起点。強いだけでなく機動力も兼ね備えることから、ピューリスのサッカーに噛み合う噛み合う。もともと教え子だったこともあり、自然にクリスタルパレスに馴染んだのも大きかった。

ジェイソン・パンチョン

基本的に同じことを繰り返すタイプというか、突っ込んでいってからミドルというのが得意なアタッカーだが、ピューリスによって見事にジェットストリームアタックに組み込んでもらえたことで覚醒。主戦場をカウンターに絞ることで厄介な選手に早変わりした。バカと鋏は使いよう、である。

ミレ・ジェディナク

強化版フェライニといえばいいのか、華がないバラックといえばいいのか解らないオーストラリア代表MF。とにかく鬼のようにフィジカルが強く、空中戦でも恐ろしい高さを誇る。かと思えばボール扱いも巧みで、攻めたがりのフェライニと違ってふらふらといなくならないポジション取りも素晴らしい。中盤を攻守に渡って制圧し、鬼神のような働きでピューリスのフットボールを支えた。


筆者名:結城 康平

プロフィール:「フットボールの試合を色んな角度から切り取って、様々な形にして組み合わせながら1つの作品にしていくことを目指す。形にこだわらず、わかりやすく、最後まで読んでもらえるような、見てない試合を是非再放送で見たいって思っていただけるような文章が書けるように日々研鑽中」
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