ワールドカップに2度、五輪は2000年以降3度出場、サッカーに端を発した隣国エルサルバドルとのいわゆる「サッカー戦争」が勃発したことで知られるだけあり、サッカー熱は非常に高いホンジュラス。

ただサッカー熱だけではなく気温も年中高く、あまり走り回れない環境ということもあり、ゆったりボールを繋ぐのが特徴で、北中米の代表チームでは最も南米、特にコロンビア辺りに近いスタイルかもしれない。

人種もベースは例に漏れずメスティソ(白人と先住民の混血)と黒人の混成で、ダビド・スアソ、エドガル・アルバレスのような爆発的なスピード、フリオ・セサル・レオン、アマド・ゲバラのようなテクニック型、マイノル・フィゲロア、ウィルソン・パラシオスのようなパワー型と多種多様なタレントを輩出しており、個人の能力だけで言うならば中米のみならずCONCACAFでもアメリカ、メキシコを抑えて最高レベルといっても過言ではないだろう。

では何故28年もワールドカップから遠ざかっていたのだろうか?それは自由奔放で怠けやすい国民性だ。波に乗った時は例えば2001年コパ・アメリカのようにブラジル代表を撃破する爆発力を秘めるが、組織とは無縁のため勝負弱く、ここ一番では必ずチーム力が勝るコスタリカに後塵を拝してきた。

先日、サッカー通で知られる某有名アイドルが「注目はアフリカサッカーのホンジュラス!」という旨の記事を配信し話題となったらしいが、怪物的な身体能力と気分屋的な特徴を考慮すればあながち間違っていなかったりもするのだ。もちろん本人がそれを知った上で発信したのかは知る由もないが。

その無秩序だったホンジュラスを変えたのが現在エクアドル代表の監督を務めるレイナルド・ルエダ氏であり、そして現在のルイス・フェルナンド・スアレス監督、この2人のコロンビア人だ。