「日本を分析した結果、面白いことが解った。これを選手達に伝える予定だ。過去の日本も視察も行っており、彼らの弱点、強み、全てを分析してある。 選手達がしっかりと実行すれば面白いことが起こるはずだ」

これは、試合前のギリシャ代表監督フェルナンド・サントスのコメントだ。面白いことに彼は、何かしらの確固たる策を持って日本戦に臨んでいた。ザッケローニが出来る限りチームを修正したい、という内向きのコメントをしたのとは真逆である。

ここから伺えるのは、ギリシャはコロンビア戦の3-0の敗北を「大きな敗戦」とは考えていなかったということである。日本以上に点を取られつつも、次の試合にキッチリと切り替えて進める辺りは流石厳しいヨーロッパで戦うチームと言うべきか。日本が修正に重きを置く中、ギリシャはヨーロッパのチームらしい洗練された日本への対策を見せてくれた。この試合をこれからの糧にすることを考慮すれば、ギリシャの狙いを分析し、日本の弱点を読み解くことは大きな価値を持つだろう。

本コラムでは中盤の核であったカツラニスが退場するまでのギリシャが狙っていたプレーについて解釈することで、日本にとって足りないものを考察していきたい。

ザックの見せた修正。よりシンプルに、より直線的に。

まずは日本代表の変化について触れていく必要があるだろう。香川をスタメンから外し、岡崎と大久保の両翼を採用。日本の狙いとしては香川と本田、それに大迫が加わることで不調時は渋滞しがちな中央を整理するということだったのだろう。よりアタッカーらしい選手を増やし、シンプルな攻撃を試みること、そして詰まった際には中距離からシュートを狙っていく。試合を見ても大迫や大久保はミドルを狙い、より直線的にゴールに迫る意識を見せた。

下図は二人のシュートのデータ。
From Squawka(http://world-cup-2014.squawka.com/japan-vs-greece/19-06-2014/world-cup/matches#VEf59ekTVWc82lDQ.97

●大迫

●大久保

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