キューバサッカーの過去、現在

一方のサッカーはどうだろうか。

アルゼンチンが生んだサッカー界の“神様"ことディエゴ・マラドーナは同胞の革命家で、フィデル・カストロの参謀だったエルネスト“チェ"ゲバラを右腕に刺青を入れるほど敬愛しており、カストロと深い交流を持つことは周知の事実である。

マラドーナは病気療養も医療水準の高く、情報が遮断されるキューバで行うなど長期間に渡り滞在したが、カストロ自身のサッカーに対する関心が低いこともあり、キューバのサッカーは野球の隅に追いやられている、というより相手にさえされていないのが現実であろう。

右腕にチェ・ゲバラ、左足にはフィデル・カストロの刺青を入れるマラドーナ

しかしながらである。国内のリーグ状況が謎に包まれるなか代表という側面を見た限りでのキューバはラテン人らしいテクニックに、革命の国らしい闘争心をミックスしたスタイルを持つ、必ずしもレベルの低くない国である。

実際、革命前ではあるが1938年にカリブ海で初めてW杯へ出場しており、国外でのプレーが許されず野球同様に国際大会のたびに亡命者が続出、代表編成に苦心しながら現在もカリブ海では確固たる地位を築き、CONCACAFゴールドカップの常連となっているのである。

先月行われたカリビアンカップでもキューバ代表は4位となり、来年米国で開催されるゴールドカップに出場する。

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