◎「エスティーロ・ハポネス」への拒絶?
こういう追及型の記者会見は、どうしても似た質問が複数の社からぶつけられ、応対する方が苛立っていきます。そこから新たな事実を掘り出そうとするのはメディアの習性ですが、政治家と違ってこの状況には慣れないスポーツ関係者には厳しい状況です。
会見の後半には、こんな返答が続きました。
「(金銭の授受について)もちろん3カ月前から私のことを知ったので繰り返し質問しているのだと思うが、30年間私のことを知っていればこういう質問はしないと思う」
「(日本で大騒動になっている状況について)私のことをよく知っているスペインやメキシコ、あるいは米国の方々にはこういった質問はされていない。ただ日本では私のことはあまり知られていないということで、このような会見を設けて質問を受けることになった」
これはスポーツナビがまとめた文章ですが、実際にはもう少し感情的で強い言葉だったと記憶しています。私の席からは監督の顔が枝豆ぐらいの大きさでしか見えなかったのですが、宇都宮徹壱さんが終了間際にツイートした
アギーレ、少し涙ぐんているように見えます
— 宇都宮徹壱 (@tete_room)
2014, 12月 27
というのは、この辺からだったかもしれません。
自分の経歴を高く評価し、ずっと前から誘ってくれていたセニョール・ハラのサポートでやって来たのに、たった3ヶ月で見ず知らずの記者達からこんな風に叩かれるのは、相当な屈辱だったでしょう。少なくとも、あの大震災と原発事故を経験しても日本にとどまり、W杯の結果を惜しまれながらも多くの日本人に愛されているザッケローニ前監督とは、随分違った船出になってしまいました。それは本当に気の毒です。
ただ、アギーレ監督の認識の甘さも見られます。
これだけの騒動になり、日本代表のサポーターやスポンサーに対して申し訳ないと思うかという質問に、
「これが大騒動とは思っていない。スペインでもメキシコでも米国でもスキャンダルになっていないのに、日本ではこのようなこのようなスキャンダルになっているということだ」
と切り返しましたが、この日の報道陣の中には、普段よりも多くの外国メディアが混ざっていました。私の前で入場を待っていたのは、ブラジル最大のテレビ局・TVグローボ系のスポーツチャンネル、「SPORTV」のスタッフでしたし、スペインの「MARCA」紙サイトでも、通常の写真付きテキスト記事と、監督の発言をそのまま伝えた3分間の映像ニュースの両方で、この会見が掲載されています。会見内では外国メディアからの質問はありませんでしたが、日本でのみ注目されているという事はありません。
SPORTV公式サイト(ポルトガル語)
http://globosatplay.globo.com/sportv/
MARCA公式サイト
"Javier Aguirre: "No tengo ninguna mancha en 39 años en el fútbol""(スペイン語)
(2014年12月27日 13:38(スペイン時間)=21:18(日本時間))
http://www.marca.com/2014/12/27/futbol/futbol_internacional/1419683895.html
VIDEO MARCA 同ニュース(スペイン語)
http://www.marca.com/videosmarca/?v=G7SdVsNH4c4