新年早々の衝撃的なニュースだった。リヴァプールは2日、元イングランド代表MFでキャプテンのスティーヴン・ジェラードが、2014-15シーズン限りでクラブを退団することを発表した。

1980年、リヴァプール近郊のウィストンに生まれたジェラードは、1987年にリヴァプールFCの下部組織へ加入。10年後の1997年にプロデビューを飾り、以降リーグ優勝こそ果たせていないものの、2004-05シーズンにUEFAチャンピオンズリーグを制覇。さらに、FAカップやリーグカップ、UEFAカップなどのタイトルを獲得している。

レッズ一筋でプレーしてきた不屈のキャプテン。このまま愛するクラブで引退するという選択肢も当然あったに違いない。

しかし、34歳の彼は、「これまでのキャリアや人生で得てきたものとは異なる経験をしたい」という自らの希望とともに退団を決意。そして翌日、新天地はアメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)になることを明らかにした(※移籍先は不明)。


今年から使用されるMLSの新ロゴと全所属チーム。このうち、加地亮のいたチバスUSA(※最上段の左から2番目)が昨季限りで消滅し、2015シーズンは20チームで行われる。

ブラジル代表のカカ(オーランド・シティ)、スペイン代表のダビド・ビジャ、イングランド代表のフランク・ランパード(ともにニューヨーク・シティ)。ここ一年でアメリカ行きを決意した一流選手たちである。

この錚々たる顔ぶれに今回、ジェラードが加わったわけだが、マンチェスター・シティがフランク・ランパードのローン延長を画策しているように、欧州のトップリーグでもまだまだ活躍できる選手たちが、この時期に揃ってアメリカへ。また、当然ベテランの有力選手は他にもいる中で、「なぜ、彼らが?」というのは多くの人が抱く疑問に違いない。

そこで一つヒントになりそうなものが、彼らの意外な共通点にある。

カカ、ビジャ、ランパード、ジェラード。

この4人の数少ない共通点の一つが、日本代表でもお馴染みのドイツの世界的なスポーツ用品メーカー、adidasと契約していることだ。

【次ページ】MLSとadidasの密接な関係