Q- 「高円宮杯」や「ユースの練習」を仮に取り上げるとしたら、読む側にも高いサッカーの知識を要求される様な気がしますが、大丈夫なのでしょうか?
上野- 私が感じているのは、『ジャイアントキリング』や『フットボールネーション』以降サッカー漫画が変わったなということです。主人公が監督であったり、フィジカルを全面に押し出した作品が読者に受けている。読者のリテラシーがあがっていると感じます。
Q- 私が思うに、『キャプテン翼』の様な必殺シュートの時代が第一世代、そのあとに欧州サッカーなどの海外サッカーが描かれた『ファンタジスタ』の時代が第二世代、そしてリアリティを重視した第三世代になってきているなと感じます。
上野- はい。そこは原案協力としても難しいところであります。「アオアシ」の場合は青年誌なのでディテールを楽しむ読者がいます。そこにはちゃんと応えたい。青年誌ですから、必殺シュートが打てないことは読者も知っているんですね(笑)。サッカーを十分に理解した上で漫画を描かないとどこかでボロがでる。そうすると、読者からすぐに突っ込みを受けてしまう。
編- そういう内容でありつつも、サッカーマニアだけでなく漫画ファンを最大公約数で拾っていく、そう考えています。
Q- なるほど、それは大変ですね。そんな連載を通じて伝えたいことはありますか?
上野- 高校サッカーがあれだけ盛り上がっているのに、高円宮杯の観客はまだまだ寂しいものがあります。(かつてキャプテン翼が人気になってサッカーをプレーする人が増えた様に)漫画を通じて高円宮杯の会場を、ユース選手権やJユースカップの会場を満員にしたいという思いがあります。
また、サッカーと何かを結びつけたものを世に出していきたい。今回は『 サッカー×漫画』でしたが、『サッカー×サスペンス』を題材にした作品も現在進行中です。来月、行われる『ヨコハマフットボール映画祭』も立ち上げから関わっています。
Q- サッカーの周辺を取り上げていきたいのは我々も一緒です。実際に今は文化面を取り上げた記事が人気になることも多いんですよ。本日は取材をいただきありがとうございました。
原作者の上野氏、twitterアカウントはこちらから
【スピリッツ公式サイト スピネット】 第一話試し読みもある「アオアシ」のページはこちらから!
今回は取材を快諾していただいた上野氏ならびにスピリッツ編集部、ご協力ありがとうございました。
本日は第3話が連載された
ビッグコミックスピリッツ(8号)の発売日!!これからも連載頑張ってください。単行本出たらサインもお願いします(笑)。