188cmと長身で高いテクニックと運動能力を備えたオールラウンドなストライカーであるケイン。特に高さと跳躍力を生かしたヘディングは大きな武器だ。
また目を見張るのがコーディネーション能力の高さで、身長188cmながら体重は60kg台半ば(おそらく実際はもっとある)という身体は、強さよりもしなやかさが優っている。
そして彼の場合そういった能力を生かす頭脳、“巧さ”を21歳にして既に持っている。分かりやすい特長の一つが、裏への抜け出しを含めた「前を向く上手さ」であろう。
スペースの少ない現代サッカーにおいて、良い状況を作るためにはその前の「準備」が大切で、そのためには周囲の情報を得るための小まめなルックアップや動き直し・ステップワークが重要となる。
動画2:20からのシーンではボールを収めた味方の状況を見つつ、サイドステップで下がりながらゴール方向の視野とスペースを確保。
味方との共通認識の上で右足に出されたボールを2タッチ目でシュートし、見事ゴールに結びつけた。
もちろん30メートル近い距離から決めてしまうシュート力も素晴らしいが、しっかり「準備」していたからこそ決めることができたゴールでもある。
また、前を向くことは対峙する相手に対して先手を取ることでもあり、股を開けさせてのゴールなどはそういった“巧さ”が生かされたものだ。