Bチームのため戦力的に見劣りするメキシコだが、最後に注意しておきたい3人の選手をご紹介しよう。
マヌエル・コロナ
160cmそこそこと非常に小柄な選手だが、対峙する相手を嘲笑うかのような抜群の対人テクニックを持つサイドのアタッカーだ。
2013年夏にオランダのトゥウェンテへ加入し、初年度は欧州のフィジカルに苦しんだが水に慣れた今シーズンにブレイク。チャンスを創出すると同時にフィニッシャーとしての高い才覚を発揮し、9ゴールを記録した。シーズン途中、宮市亮がレンタルで加入し同じポジションを争うことになったが、結果的にはコロナが完勝している。
今大会のメンバーで唯一ゴールドカップの予備登録メンバーにも選出されており、エレーラ監督の期待が窺える。そんなコロナには本田圭佑が在籍するミランなどが関心を示していると報じられており、活躍次第では今夏にもステップアップするかもしれない。
マルコ・ファビアン
ご存知、ロンドン五輪の優勝メンバーで“日本キラー”として知られるファビアン。強烈なシュート力を持つ彼は“スーパーゴール製造マシーン"でもあり、最近、所属するチバスでハットトリックを達成するなど好調だ。
A代表にはなかなか定着できていないが、今大会での活躍で現主力メンバーにプレッシャーを与えたいところだろう。
ルイス・モンテス
最後はレオン躍進の立役者で、左利きのゲームメイカーのモンテスを挙げよう。
昨年のW杯にレギュラーとして参加予定だったが、直前に行われたエクアドル戦で相手選手と激しく交錯し骨折。無念の欠場となった。
今年2月、半年以上に及ぶ長期療養を経て復帰し4月には代表チームにも帰ってきた。しかしかつてのパフォーマンスは影を潜めており、代表でのポジションも失っている。ここで再起を図りたいところだ。
以上の3選手のほかにロンドン五輪にOAで参加し、主将と守護神を務めたヘスス・コロナ、4大会連続でW杯に出場している“皇帝”、ラファエル・マルケスといった代表での経験も豊富(現在の代表チームでは控え)なベテランが、即席チームをどのように牽引するかも見所であろう。