アメリカのドログバ?
アメリカ女子代表は、比較的メンバーが固定されている方だ。特にGKはホープ・ソロが全試合を守り、DF陣もほぼ固定されている。それでも、DF1名、GK2名を除く20名がこれまでの6試合で起用されている。そこには理由があるのだ。
それは、ずばりエースストライカーがいないのだ。アメリカ代表と言えば、圧倒的な攻撃力で知られている。前回2011年大会では7試合で13得点、ワンバックが澤に次ぐ4得点をあげた。それが、今大会ではこれまで6試合で9ゴールといささか物足りない。MF/FW兼任のロイドが3得点をあげているが、純粋なフォワードはモーガン、プレス、ワンバックが1ゴールずつと全員横並びの状態だ。
上記は、ドイツ戦のスタメンであるが、FW陣は試合ごとにスタメンを変えている様な状況がある。これまでに先発したFWは6人、モーガンが4試合、ワンバックが3試合、ルルー、プレスが2試合、ロドリゲスが1試合使われており固定できていない。ロイドを代役としてFW起用しているが、実際はどちらかというとトップ下的な位置でプレーしている。それだけに怖いのは後半20分すぎからワンバックが途中出場ででてくることだ。強さ・高さ・巧さを兼ね備えた選手が後半に控えているのは、さながら2014年ワールドカップ日本代表VSコートジボワール代表におけるディディエ・ドログバを彷彿とさせる。
強さ高さのアメリカ、速さの日本
スタッツを見てみると、とにかく強さ高さが際立っている。空中戦の回数188回で勝率は61.7%、1vs1は594回で56.6%だ。特に守備時のタックルは87.6%と高い成功率を誇る。DFラインはほぼ固定されていると上述したが、チーム全体でよく組織されたプレッシングを見せる。これまでの失点は僅かに1、今までのアメリカ代表とは一味違う守備を見せている。こいつは"アメナチオ"だ。
対して、パスの成功率は日本と比べるとだいぶ落ちる印象がある。パス成功率は76.5%、敵陣での成功率は68.8%、つまり3回に1回は失敗する計算になる。日本の狙いとしては、相手のパスミスからカウンターでDFラインが揃わないうちに得点できれば言うことがない。縦への速さを意識することが大切だろうか。