現在、バルセロナはUEFAから移籍禁止の処分を受けている。

久保選手らがバルセロナのアカデミーでプレーしていたことで、若手選手が試合に出場出来なくなったことが話題になったが、結果的に裁定によってバルセロナで出場が出来なくなった若手選手達には他の強豪クラブが集まっている。そういう意味で、青田買いはバルセロナだけの問題でないことは明らかだ。

多くの強豪クラブは世界中の若者を視察し、出来る限り値段が上がらないうちに獲得を済ませようとする。その中には、ルールの境界線上で綱渡りをするような獲得も少なくない。チェルシーも、「フランスのメッシ」と呼ばれたガエル・カクタの獲得で問題になったことがある。

移籍金を抑える方法の1つに、プロ契約を結ぶ寸前で獲得を狙うという方法がある。

選手がプロ契約を結べば、当然必要な移籍金も跳ね上がる。その前に高い給料を提示することで、プロ契約自体をチームと結ばせるのである。元ローマユースで「新たなイブラヒモビッチ」と呼ばれるジャンルカ・スカマッカ(Gianluca Scamacca)も、プロ契約を結ぶ前から複数クラブの接触が報道され、結果的にPSVとプロ契約を結ぶこととなった。

この様な手段での獲得を狙われると、若手選手に投資して育成したクラブが損をすることになりかねない。だからこそ、デンマーク側の「バルセロナのアカデミー開設を禁止する」という処置は、デンマークのクラブで育成した選手を「正常な値段で移籍させる」という可能性を上げることに繋がる。

正常な移籍金が得られれば、その資金を更に育成のために投資することも出来るので、良いサイクルを作り出せるという考えもあるだろう。若手を売り、更に若手を見つけ出すスカウト網を整備、更に売れるだけの素材を育成する。育てて売るクラブにとっては、理想的なサイクルだ。

ところが、このサイクルの途中で選手を安く買ってしまう仕組みが出来ると、育てて売るクラブは苦しむことになる。そういう観点からも、デンマークの判断は理解出来る。

一方、日本をフットボール後進国と考えた場合、状況は少し異なってくる。

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