世界最高峰の一大スペクタクル、UEFAチャンピオンズリーグ。

今シーズンも本大会に出場する32チームが決定し、グループステージの抽選会が行われた(文字情報はこちらから)。

抽選結果は悲喜こもごも。

組み合わせに恵まれたチームもあれば、本戦に向け気合いを入れ直したクラブもあるだろう。来年5月28日、サン・シーロで行われるフィナーレに辿り着くのは一体どのクラブなのだろうか。

さて、今回はそんなグループステージ抽選会の結果生まれた10の「因縁」をご紹介することにしよう。

「因縁」という言葉は憎しみ合う関係性に使われがちだが、広辞苑によれば「定められた運命」や「ゆかり、関係、縁」という意味合いもあり、ここではポジティブな意味を踏まえた上での定義とする。

今シーズンの抽選会では、素敵な再会や不思議なめぐり合わせがいくつか実現している。

2015-16シーズンのCLを楽しむ上で知っておきたい10のストーリーをご紹介しよう。

1. ズラタン・イブラヒモヴィッチとマルメ

ユヴェントスやインテル、バルセロナなど数々のメガクラブでプレーし、世界最高クラスのストライカーに成長したイブラヒモヴィッチ。そんなズラタンがキャリアをスタートさせたのが、スウェーデンの名門マルメだった。

マルメは昨シーズンが初のCL。今シーズンが二度目の出場であり、イブラヒモヴィッチが公式戦でマルメと対戦するのはこれが初めてのことである。

そんなイブラヒモヴィッチはマルメがグループステージ進出を決めた26日、ソーシャルメディア上で祝福のメッセージを投稿した。さらにその中では「いつかマルメのピッチでチャンピオンズリーグを経験したい」と述べられており、投稿の翌日に早速その夢が叶った形だ。

そして抽選会の直後、イブラヒモヴィッチは自身のFacebook上で「最高だ」とコメントした。イブラヒモヴィッチが他クラブについてSNSで言及するのはきわめて珍しいことである。

多くのクラブを渡り歩いてきたイブラヒモヴィッチだが、マルメというチームはその中でも特別であるに違いない。スウェドバンク・スタディオンのサポーターたちがどれほどの情熱と愛情でズラタンを出迎えるのか、今から楽しみでならない。

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