WOWOWで放映される「レアル・マドリー×バルセロナ」の伝統の一戦「クラシコ」に向けた番組収録において、元日本代表DF宮本恒靖氏と日本代表監督ヴァヒド・ハリルホジッチ氏の対談が実現した。
ハリルホジッチ監督のWOWOW「出演」は、二度目のこと。宮本氏によれば、初登場となったのは2001年8月8日に行われたチャンピオンズリーグの予備選プレーオフのリール対パルマ戦だったという。当時、「10番」を背負いパルマのトップ下に君臨していた中田英寿を封じジャイアントキリングを成し遂げたリールの指揮官が他ならぬハリルホジッチ監督だったのだ。
パスカル・シガンら堅牢な守備陣に加え、アルゼンチン人MFフェルナンド・ダミーコのマンマークによって中田英寿を封じられたパルマは、リールに0-2と敗北する。
日本人選手は優しすぎる
また、二人の意外な接点も発覚。宮本氏はFIFAの運営する大学院「FIFAマスター」の卒業生でもあるが、修士論文のテーマがハリルホジッチ監督が十四歳の時に移住したモスタル市(ボスニア・ヘルツェゴビナ)のスポーツアカデミーと民族融和に関するものだったという。「モスタル」の言葉に指揮官もまた「少年時代のサッカークラブがいまではありえない4トップだった」などと、当時の思い出を懐かしそうに語った。
落ち着いた雰囲気のなか、しだいに話題は日本サッカーの問題点へ。宮本氏からの「日本の選手は監督の指示を聞きすぎるのではないか?」との指摘に対し指揮官は「日本人選手は優しすぎるし、指示を聞きすぎる。たまには自分の指示に従うだけでなく、反乱を起こしてほしい」と語気を強め、そのトーンが波及したのだろう、心なしかこの日通訳を務めたフローラン・ダバディ氏のテンションもまた上がっているようだった。
フィリップ・トルシエ氏の元通訳で知られるダバディ氏、久々の通訳は相変わらず熱かった。
この日、ハリルホジッチ監督が再三にわたって説いたのが球際の強さ、激しさを意味する「デュエル」とメンタル面の「心理的アプローチ」の重要性についてだ。