ガオ・リン

(Gao Lin / こく・りん / 郜林)

上海申花で育成された万能ストライカーが、ここまで重要な存在になるとは。誰も予想していなかったのではないかと思われる。

確かに才能は高く評価されていた。豊かな体格を備え、スピードも豊かで、空中戦も出来ればドリブルでも仕掛けられる。

しかし動きの質や決定力、そして一貫性に恵まれていなかったため、19歳で名を連ねた代表では長い間苦しい時間を過ごした。

野性的なハン・ペンやスピードあるキュー・ボー、シュー・ティン、マンチェスター・ユナイテッドにいたことで知られるドン・ファンジョなどが彼の台頭を許さなかった。

しかし、2010年に八百長問題で降格処分を受けた広州恒大に移籍したところから彼に上昇気流が吹き付け始めた。

ダリオ・コンカやクレオ、ムリキなどが大きなお金で獲得される中、前線ならどこでもこなし、ポストも突破もこなし、パスも出せ、守備までやってくれる彼はとても貴重である。

決して彼単体で突出した選手とは言えないが、最も警戒しづらい男だ。ACLではJリーグのチームが何度も彼に泣かされているのだ。

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