『BBC』は「元トーゴ代表GKコジョヴィ・オビラレは、狙撃されてからの6年を語った」と報じた。

トーゴ代表として2006年のワールドカップにも出場したオビラレ。2010年にアンゴラで行われたアフリカネイションズカップに参加する予定であったが、開幕前に代表チームのバスが武装集団に襲撃される事件に遭遇した。

ドライバーのマリオ・アジュア、アシスタントコーチのアバロ・アメレテ、そしてメディアオフィサーのスタニスラス・オクローが殺害され、オビラレも2発の銃弾を受けて瀕死の重傷を負った。

奇跡的に彼は一命を取り留め南アフリカの病院に運ばれたものの、背骨や内臓に大きなダメージを負ったために下半身が不自由となり、サッカー選手としてのキャリアを絶たれてしまった。

一時期はそのためにかなり暗い生活を送っていたようだが、現在はフランスの街ロリアンに戻り、そこで障害を持つ人々にサッカーを教えるインストラクターとして働いている。

8回の手術と長期のリハビリを経験したものの、まだ松葉杖を手放すことは出来ない。しかし、彼はインタビューに対して以下のように話し、精神的には回復したと答えた。

コジョヴィ・オビラレ

「今では、僕の人生は変わった。精神的には良くなった。そして、心が大丈夫ならば、体は大丈夫だ。

僕は働いているし、心は忙しい。それは多くの不安から逃れられることを意味するし、前に進むことが出来るよ」

「(銃弾を受けた後、アンゴラの女性が声をかけてくれていた?)

僕は彼女の言葉は理解することが出来なかったが、自分との繋がりを感じていた。まるで理解しているかのように彼女の言葉に集中した。それは僕を落ち着かせてくれたよ」

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