選挙の意義と特設ページ

「その1」では田嶋と原の相違点に注目しましたが、シンポジウムなどで意見が一致する点も多くありました。その一つが、今回の会長選挙実施自体についてです。

既に挙げた「フットボールチャンネル」の記事の通り、今回の会長選はFIFA規約という「外圧」で実施されましたが、「その規約自体がまた変わったのでそれに合わせた修正が必要」と考える田嶋を含め、日本サッカーのトップをオープンな選挙で決めるという今回の動きは有意義だと認めていました。

この点では私も同感です。スポーツ界もそう、というか日本の場合はほとんどですが、各種団体のトップ人事はとにかく密室性が高く、「なぜこの人物が選ばれたのか」が外部からは分からない事がごく当たり前になっていました。

ただ、公益財団法人という肩書も得て、かつお金を払っている登録者だけでも2014年度で137万8千人という大きな関心を集めている組織であるJFAが選挙をする事は、他の団体にもプラスの影響を与えるでしょう。社会的にも大きな意義があり、できれば社団法人化が完了した都道府県協会などでもこの仕組みを導入して欲しいと願っています。

ただ、どんな組織でも、トップが理念を掲げるのは割と簡単で、事務方がそれを実現できる体制を整備していくのはずっと難しくなります。そして、組織全体で意識改革を共有していくのはさらに大変なのは、どこでも一緒です。

例えば、今回の選挙についての情報公開です。

現在、JFAの公式サイトにあるトップページのバーから右端の「JFA」を押すと、メニューの中に今回の選挙での特設ページ、「役員の選任及び会長の選定について」が出てきます。

ここを選ぶと、選挙規定や書類一式、そして二人のプレゼン資料が見られるようになっています。モバイル版では「メニュー」を押すと、この特設ページに行けます(「JFA」を押して探しても出てこないので要注意)。

JFA公式サイト
「役員の選任及び会長の選定について」

http://www.jfa.jp/about_jfa/election/

「会長候補者」(以下、いずれもPDF書類)

「原博実 活動書類」(※提案政策・提案プログラム・経歴-テキストベース)

http://www.jfa.jp/about_jfa/election/list/001/document_001.pdf

「原博実 活動書類-2」(※プレゼン資料)
http://www.jfa.jp/about_jfa/election/list/001/document_001_2.pdf

「田嶋幸三 活動書類」(※提案政策・提案プログラム・経歴-テキストベース)
http://www.jfa.jp/about_jfa/election/list/002/document_002.pdf

「田嶋幸三 活動書類-2」(※プレゼン資料)
http://www.jfa.jp/about_jfa/election/list/002/document_002_2.pdf

※田嶋と原の順番は、他の公式書類では田嶋が先、この「会長候補者」のみでは原が先に記載。

【次ページ】情報公開には消極的?