情報公開には消極的?
ただ、普通のサッカーファンが二人の考えを見ようとしてJFA公式にアクセスしても、これではすぐに分からないでしょう。
トップには27日(水、東京・代々木第一体育館)と30日(土、大阪市中央体育館)にコロンビアと親善試合をするフットサルやなでしこジャパン・フル代表の試合告知バナー、それに投票日の31日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催される「JFAフットサルエンジョイ大会ファイナルステージ」の告知バナーなどが貼られていますが、この会長選ページへは直接行けません。
JFA公式サイト
「JFAフットサルエンジョイ大会」
http://www.jfa.jp/match/jfaenjoy5_2015/
資料の表示方法にも問題がありました。
「JFA」カテゴリーの中のページはテキストとPDFの併用になっていて、大仁会長のメッセージや「JFAミッション2015-2022」などはテキストになっています。
しかし、この会長選特設ページ内にある全ての情報はPDF化され、画像として処理されています。「JFA2005年宣言」や「JFAウェイ」などと同様、JFAの基本理念に関わる二人の「所信」はテキストでは読めないのです。
視覚面での効果を重視して作られた田嶋のプレゼン資料(サイト内の「活動書類-2」)は難しいでしょうが、文字のみで回答された両者の「提案する政策」「同プログラム」などは十分に対応できたのではと思います。
確かに、この会長選で直接の投票権を行使できるのは、候補者の認定・推薦と最終承認の決議を行う28人の理事と、その候補者にする無記名投票で会長予定者を選出する75人の評議員だけです。合わせて103人にだけ伝われば選出は無事行われますが、それでは大きな損失です。
シンポジウムでも強調されたように、これは日本サッカーの方向性を決めると同時に、その議論を全国の関係者やサッカーファン、さらにその外側にもいる一般の皆さんに伝える格好のチャンスですし、スポーツを含む他の各種団体にとって貴重な先行例ともなります。そして「代表選」はマスメディアにとって大きな話題源であり、「タダで宣伝してくれる」チャンスでもあります。
その点で、情報公開に消極的とも取られるのは残念ですし、今後の課題として改善に取り組んで欲しいと思います。