充実する攻撃陣
シリアの絶対的な強みは、やはり充実した攻撃陣だ。それについては、昨年10月の段階から変化はない。
トップには、オランダリーグで得点を量産したことで知られるFWサンハリブ・マルキ、そして今予選7試合で7得点と絶好調のオーマル・ハリビンのコンビが君臨している。
中東には身体能力とスピードで押してくるストライカーが多いものの、この二人はかなり異質な存在だ。
Kwalificatie WK 2018
Vandaag speelt #Syrië met ex #Roda JC speler Sanharib #Malki tegen Japen pic.twitter.com/nmzZGRuvyt
— ⚽️Voetbal-NL (@kabrogabriel) 2015年10月8日
ヨーロッパ育ちのマルキは、身体能力こそやや衰えを感じるものの、この数ヶ月で体のキレはむしろ増している印象だ。カンボジア戦でのシュートはまさに彼のセンスが完全に発揮されたもの。
✏Omar Khribin injury two weeks away from Al Dhafrahttps://t.co/VdqxmjlpHN pic.twitter.com/Aym0QghN9B
— ✏AGL Sports (@AGL_Sports) 2016年2月11日
そしてオーマル・ハリビンも、周りに使われて強力な得点力を発揮するという中東には珍しいセカンドタイプの大型ストライカーだ。
184cmという身長、ガッチリとした体格を備えつつも、仕事はスマートだ。下がってボールを収め、周りを使い、そして前線で味方のパスを受け、確実にゴールを陥れてくる。クロスボールに対する強さや決定力はまさに別格。
そして、それを支えるのが良質のチャンスメイカーである。
右サイドを務めるのは、若くして天才と謳われたマフムード・アル・マワス。かつてアンダーの代表で見せたほどの「圧倒的」な能力ではなくなったが、それでもシリアの絶対的司令塔と言える。
軽やかなドリブル突破と正確なパスを持ち、得点力も高い。クラブレベルではなかなか安定せず、クウェートやサウジアラビア、バーレーンと渡り歩いているが、代表チームでの存在感は大きい。
左サイドには豊かなスピードを持っているウダイ・アル・ジャーファル。縦に鋭い進出から相手の守備を切り裂き、ストライカーにボールを供給するウインガーである。
また、鋭いドリブルとシュートを持つ長身攻撃的MFアブドゥルラザーク・アル・フサイン、日本戦で惜しいフリーキックを蹴ったことで知られるウサマ・ウマリも魅力的だ。