ダヴィド・ジノラ
「彼らは3回電気を私の胸に流した。それでも心臓は動かず、彼らは希望を失いかけていたんだ。
しかし、友人が救急隊に言った。『諦めるな!ダヴィドは戦っているんだ』と。どういうわけか、彼らは私の体が生きようと戦っていることがわかったんだ。
その後4回目の電気が流れ、私の心臓は動き始めた。救急隊は友人の方に振り返って、こう言った。『脈を確認しました』と。誰もが歓声を上げ、涙を流した。
何の兆候もなかったので奇妙だったね。何も覚えていないが、私は何度かヒールリフトをやっていたらしいよ。最初は足の付根に重い痛みを感じた。友人はベンチにいろと言ったが、私はプレーしたかった。ゴールを決めて、それから帰るところだった。
友人のフレデリック・メンディが心肺蘇生法をやってくれた。彼が脳に渡る空気を保ってくれたから、私は今日も生きられている。
目を覚ました時、切り開かれていた自分の胸を見て医師に言ったんだ。『うわっ、何が起こったんだ?』って。彼はもう私が大丈夫であることを知っていた」
なお、ヒーローだと言われたフレデリック・メンディは『Nice Matin』に以下のように語っているとのこと。
フレデリック・メンディ
「本当にヒーローであるのはダヴィドだよ。生きつづけるために信じられないような厳しい戦いに臨んだ。そうでなければ、そこにいた30名の人間全員だ。誰も、傍観している者はいなかった。
自分にとっては、バタクラン劇場(2015年11月の同時多発テロの現場となった)で戦った警察官たちのような人たちこそヒーローだ」