CB:昌子源(鹿島アントラーズ)

昨年末、白い巨人を前にしても物怖じしないプレーは各方面に驚きを与えたが、世界を相手に手に入れた自信をJリーグの舞台でもいかんなく発揮している。元々潜在能力は高く、ボールにも人に対しても、地上戦でも空中戦でも力を見せ付けられる実力者であったが、その成長曲線は右肩上がりの一途。特に、今季は責任感やリーダーシップといった、メンタル面での成長が特筆に価する。

ACLの対ブリスベン戦の終了後、「試合前にチームでエンジンがかかるのがすごい遅い、と言う話をした。前半は点が取れていない。何回同じことを繰り返して負けているのか」と口にし、悔しさを覗かせつつも冷静に分析する姿が印象に残っているが、チームの問題解決に向けて取り組もうとする真摯な態度は、まさに「リーダーになるべき男」と言えるだろう。

「常勝軍団」を、プレー面だけではなく気持ちの面でも支えられるようになれば、噂される海外移籍もより具体化するか。

CB:岩波拓也(ヴィッセル神戸)

前述の昌子源と共通しているが、彼も"心”の充実を感じさせるプレーをここまで見せてくれている。

誰が相手でも自分の考えをはっきりと主張する強いパーソナリティーは、時にマイナスに作用することもあったが、メンタルの"ブレ”も沈静化。その落ち着きはヴィッセル神戸の守備に安定感をもたらし、序盤のスタートダッシュに大きく寄与した。

ヴィッセル神戸では、ベガルタ仙台から移籍してきた渡部博文が、移籍初年度と思えない高いパフォーマンスを続けていることも話題になるが、彼がここまで活躍できた要因は、センターバックでコンビを組む相手が岩波拓也であったことも大きいはずだ。

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