フランチェスコ・トッティ

「なあみんな、僕が小さなころに好きだったオモチャは何だったか知ってるかい?

それはサッカーさ!そして、それは今もそうなんだ。

だが、誰もがある時点で成長しなければならない。そう言われて、僕は決断を下した。

クソッタレだな、時間ってのは!(スクデットを獲得した)2001年の6月17日と同じだ。

あの時、僕はレフェリーが早く3回笛を鳴らしてくれないかと待ちきれなかった。そして、それは今でも鳥肌が立つ記憶だよ。

そして今、時間がやってきた。僕の肩を軽く叩いた。そして、『成長しなければいけないよ』と声をかけてきた。明日から大人になるんだ、とね。

『さあ、パンツとスパイクを脱げ。君は大人になった。もはや芝の匂いを嗅ぐことはできない。太陽に顔を晒すことはできない。アドレナリンを使い尽くすことも、祝福の満足感もないんだ』と。

僕はこの数カ月間、自分自身に尋ねてきた。なぜ夢から覚めているのかと。

眠っている子供は、母に起こされるまで素晴らしい夢を見ているものだ。

もう一度眠りにつこうとしても、同じ夢の中に戻れることは決してない。

魔法は、いつか解けるものなんだ。

この時は、夢ではなかった。現実だった。僕はこの手紙を子どもたちに送りたいね。

僕を応援してくれた彼らに。そして、おそらく僕と共に成長し、そして父親になっていく彼らに。

自分のキャリアはおとぎ話のようなものだったと思いたい。そして、これはその中で最悪の一章だ。

今、それは本当に終わった。僕は最後にこのシャツを脱ぐ。そして綺麗に畳む。

例え、引退すると言う準備ができていないとしても。それを認めざるを得ないとしても。そして、これからもずっと認められないとしても」

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