フランチェスコ・トッティ
「なあみんな、僕が小さなころに好きだったオモチャは何だったか知ってるかい?
それはサッカーさ!そして、それは今もそうなんだ。
だが、誰もがある時点で成長しなければならない。そう言われて、僕は決断を下した。
クソッタレだな、時間ってのは!(スクデットを獲得した)2001年の6月17日と同じだ。
あの時、僕はレフェリーが早く3回笛を鳴らしてくれないかと待ちきれなかった。そして、それは今でも鳥肌が立つ記憶だよ。
そして今、時間がやってきた。僕の肩を軽く叩いた。そして、『成長しなければいけないよ』と声をかけてきた。明日から大人になるんだ、とね。
『さあ、パンツとスパイクを脱げ。君は大人になった。もはや芝の匂いを嗅ぐことはできない。太陽に顔を晒すことはできない。アドレナリンを使い尽くすことも、祝福の満足感もないんだ』と。
僕はこの数カ月間、自分自身に尋ねてきた。なぜ夢から覚めているのかと。
眠っている子供は、母に起こされるまで素晴らしい夢を見ているものだ。
もう一度眠りにつこうとしても、同じ夢の中に戻れることは決してない。
魔法は、いつか解けるものなんだ。
この時は、夢ではなかった。現実だった。僕はこの手紙を子どもたちに送りたいね。
僕を応援してくれた彼らに。そして、おそらく僕と共に成長し、そして父親になっていく彼らに。
自分のキャリアはおとぎ話のようなものだったと思いたい。そして、これはその中で最悪の一章だ。
今、それは本当に終わった。僕は最後にこのシャツを脱ぐ。そして綺麗に畳む。
例え、引退すると言う準備ができていないとしても。それを認めざるを得ないとしても。そして、これからもずっと認められないとしても」
いつか魔法は解ける…トッティ、最後に語った感動メッセージ
Text by 石井彰(編集部)
カズに憧れて全身赤のスーツを買ったことで校内一の人気者になったが、中身が伴わず一発屋で終わったというエピソードを持つ島根県出身のエディター。その影響か赤いチームを好み、ヴァランシエンヌ、レイションエス、ノッティンガム・フォレストなどを応援している。
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