ユニークな「奈良クラブ」でやっていることは?

――奈良クラブって面白い取り組みをしているクラブですよね。関西リーグの頃に岡山一成選手を獲得したり。話題になったユニフォームはレヴィー・クルピ監督(当時セレッソ大阪)が欲しがったとか。

そうそう。実際にクルピさんのレストランに飾られてますからね。

――サポーターを取り込もう、全国に知らしめてやろうという勢いがありましたよね。DJとしてはどんな活動を?

きっかけとなったケーブルテレビの番組のフリートークでネタとして選んだり、ゲストで来てもらったりですかね。

ちっぽけな存在のタレントではありますが、いただいているお仕事の中で告知できるチャンスがあれば、「奈良クラブというチームでスタジアムDJをやっているんです」と発信するようにしています。特に奈良県内ではスポーツに関係のないジャンルのお仕事でもねじこんでます(笑)

JFL昇格のシーズンは特に「あ~、あの叫んでいる人?」という反応も多くありました。

――そういう取り組みの中で面白いことに関わったとかありますか?他のクラブではないなとか。

なんだろう。例えば、ヒーローインタビューですかね。ヒーローインタビューって、監督とMVPの2人が呼ばれるイメージがありませんか?でも、奈良クラブはたいてい監督+3~4人です(笑)

直前に広報スタッフさんからリストを伝えられるので、誰になってもいいように試合をしっかり見ておかないと、インタビュー内容に困ります(笑)

奈良サポはサッカーをよく知っている人が多いので、「ヘタなインタビューはできないな」、「なんだよ、何も分かってないな!」とならないようには気を付けています。かと言って、サッカーに詳しくないお客さんがポカーンとなるような質問もいけないし。せっかくインタビュー人数が多いんだから、「内容に幅をもたせてもよいかな」と。

あとは、サポーターが色々企画したりお手伝いしてくれるチームなので、乗っからせてもらっています。ロック総統率いるホンダロックサポと奈良サポで綱引き対決をバックスタンドでやったり(笑)それを実況して盛り上がるように…ていうのは取り組みになりますかね?(笑)

――アウェイの会場に行ってトラメガ持ってやってらっしゃるの見たんですけど。

あれもサポーターの企画でした(笑)。関西リーグ時代から戦ってきて同時期に昇格した隣県のチームが相手なので、「負けたくないからみんなで応援に行って、勝って派手な宴会をやろう!」となって。「じゃあ、ボクも行きます!」て言ったら、「スタメン紹介やろうよ!」という発案がサポーターからあって…。「なんならゴールも!」と(笑)

得点コールを最大ボリュームでやって、あれは震えましたね。緊張で足も震えてた(笑)。「これは絶対ミスられへんな」と。噛まれへんし間違えられへんし、アウェイの…いや、こっちがアウェイか(笑)。とにもかくにも、対戦相手のサポーターにも聞こえますからね。ただもちろん、主催側のアナウンスの邪魔にならないように配慮はしました。

ちなみに、ツイッターでは『奈良クラブ、スタジアムDJ持ち込みで来た』と書かれていました。モノ扱いです(笑)

――関西リーグからJFLに上がって、DJの立場から大きな違いはありました?

「大きく変えなきゃいけないよね」とチームもサポーターも言っていました。もちろんボクも、「お金を払って観に来てくれるんだから、それ以上のものを持って帰ってほしい」と思っていましたね。

その部分で大きな力になってくれていたのが、オカ(岡山一成)さんやシュナ(シュナイダー潤之介・現ザスパクサツ群馬GKコーチ)さんでした。

オカさんがこれまでのチームでやってきた勝利後の劇場パフォーマンスとか、シュナさんのマイクパフォーマンスとか…ホンマによかったなぁと今でも思います。

――ちょうど良いタイミングでちょうど良い選手が入ってきたという感じですね。

そう、シュナさんなんかは叫びすぎるから、マイクが絶対割れました(笑)。さすがGKは声が通るなと…。

ボクは、身内ウケとか、初めて来たお客さんがついていけない空気にならないように、進行がグダグダにならないようにと気をつけていましたが、杞憂でしたね。巻き込む力と熱量がありましたから。