編集部T(以下――):さぁ、いよいよ、次は中盤に目を移します。まずはディフェンシブミッドフィルダー(DMF)の選考を。Twitterのアンケートでは、セレッソ大阪の山口蛍が一位。二位は柏レイソルの大谷秀和。三位は浦和レッズの阿部勇樹でした。

「ディフェンシブミッドフィルダー」という定義が難しいところですが、順当な結果と言えば結果ですかね。

山口蛍はこのポジションでの選考が適切なのか意見が分かれるところだと思いますが、コンビを組むソウザのほうが前に出るので、入れるならこっちですかね。大谷も同じく迷うところですが…。

――正直、選考時にどうしようか迷ったのが実情です…(汗)

近年のJリーグには「ザ・守備的ミッドフィルダー」という選手が減りましたね。世界的なトレンドとも言えますが、Jリーグはアンカーを置くチームも限られていますし、「ボランチ」というポジションが攻守両面で貢献するのが当たり前になってきています。

古くは、柱谷哲二、森保一、本田泰人。その後も、戸田和幸、鈴木啓太のように、守備に重きを置く代表格がいたんですけどね。

今野泰幸が一時はその系譜を継ぐかと思いましたが、今は攻撃色が強くなっている。彼の場合は、元々のプレースタイルに戻った感じですが。

――年々、選考基準が難しくなっている気はします。その中で「今季のベストは誰か?」となると、やはり、上記の三選手でしょうか?

必ず入ってくる名前でしょうね。

ただ、山口蛍については、開幕から数試合は決して良かったわけではないので、悩みどころではあります。

後は、個人的には、守備面よりも攻撃面のほうが印象は強いです。守備範囲の広さを活かしてカバーリングやインターセプト能力の高さは相変わらずですが、奪ってから縦にいれるパスが光っていました。セレッソ大阪のカウンターアタックにおいて重要なキーマンですよね。

なので、より守備面を評価するとなると、大谷だったり、阿部のほうが評価されるのではないでしょうか。

今季の柏レイソルは攻守両面でアグレッシブで非常にバランスが良いですが、それを支えているのは言うまでなく大谷です。実質Jリーグ一年目の手塚康平が高評価を受けていますが、大谷のサポートがあってでしょう。ピンチの芽を未然に摘む力、チームのベクトルを整える力はJリーグ屈指だと思います。まぁ、今季は「ここぞ!」での決定力も目立っていますが…。阿部も限りなく近い印象ですね。

――他にリストに入ってきそうな選手はいますか?

実は、個人的には、レオ・シルバが前半戦のベストプレーヤーだったと思っています。

ただ、途中で故障により離脱していた期間やチームがターンオーバーを敷いていたこともあり、先発出場の数は全17試合中10試合なんですよね。だから、そこをどう見るかで評価は分かれるかもしれません。ただ、出場したほとんど試合で文字通りMVP級の存在感でした。

後は、同じような話で言えば、ガンバ大阪の今野泰幸、ヴィッセル神戸の藤田直之、北海道コンサドーレ札幌の深井一希もそうですね。

逆にコンディションが回復してから評価を上げていったのが、横浜FMの扇原貴宏であったり、川崎フロンターレの大島僚太です。この二人は、共にレジスタ的なイメージが近く、攻撃面での貢献度が高いですが。

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