あの「講義」の意図とは?
今回のキリンチャレンジカップのメンバー発表において、ハリルホジッチ監督は「講義」とも言えるプレゼンテーションを行った。
ハリルホジッチ、日本の「ポゼッション信仰」を斬る!会見で話したこと全文 https://t.co/HE65nefu4r
— サッカーニュース Qoly(コリー) (@Qoly_Live) 2017年9月29日
そこで具体例として用いたのは、直前に行われたチャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマン対バイエルン・ミュンヘンのデータだった。
パリ・サンジェルマンは30%台というボール保持率であったが、バイエルンを相手に3得点を奪って快勝したという試合である。
その中で唯一パリ・サンジェルマンが大きく上回っていたのがデュエル。つまり「対人戦の勝率」であった。
これが「ポゼッションは勝てない、早い攻めとデュエルが重要」というポゼッション信仰への“カウンター”だという意見は多かったように思う。
しかし、筆者は『デュエルの強さがないポゼッションは脆弱』という意味なのではないかという解釈をしていた。注目すべきはパリ・サンジェルマンではなく、バイエルンの方のデータだったのではないかと。
多くのジャーナリストが分析した2014年W杯のアルジェリアも、韓国戦などではちゃんとパスを回して攻めた時間があった。コートジボワールでも特筆するほどカウンター志向ではなかった。ハリルが「強硬な反ポゼッション派」ではないことは明白である。
あの講義は、要するに『バイエルンでもデュエルで上回らないと勝てないのに、日本の実力じゃポゼッションは絶対ムリ』というのをかなり厚めのオブラートに包んで伝えたのではないだろうか。