――ここからは具体的なコロンビア対策に移りたいと思います。いわゆる「弱点」と呼ばれるものはあるでしょうか?

フォーメーション、システム、選手によって変化することもあると思いますが、普遍的なコロンビアの弱点はいくつか存在します。

――その中から代表的なものを「誰でもわかる」ように教えて頂きたいです。

なかなか難しい注文ですね…。では、わかりやすい弱点を三点に絞って説明しましょう。

一つ目は、これは巷でも出回っている有名な話のようですが、「サイドバックが攻撃参加した時に生じる背後のスペース」ですね。

戦術的な約束事だと思いますが、コロンビアの両サイドバックは、後ろからのビルドアップの際に「組み立てに参加する」というより、まずは「高い位置を取ろう」とする傾向が強いです。さらに、ウイングに置かれた選手とのポジションチェンジも積極的に行います。

そのため、コロンビアはビルドアップ時、ボランチの一枚がセンターバックのポジションにまで落ち、後ろ3枚でボールを回していきます。

ですが、この戦術を行う際に弱点になりやすいのが、サイドバックが駆け上がったことで生じる背後のスペースです。

相手チームからカウンターを受けた場合、「ボールホルダーにしっかりと行って攻撃を遅らせる」、「サイドバックの裏にボールが出た際はボランチが流れてカバーをする」という基本的な戦術はコロンビアにもありますが、メカニズム的には「盤石」とは言い難いものです。

実際、直近のエジプト戦やフランス戦でもこの穴を再三突かれ、ピンチを迎えていました。

――日本もここを狙うべきでしょうか?

そうですね。

特に日本から見た場合の右サイド、コロンビアから見た左サイドは、ハメスが流れることも多くボールが集まりやすいエリアです。

そして、ハメスのキープ力を信じ、左サイドバックはより積極的にオーバーラップを仕掛けます。日本にとって注意すべきエリアであり、攻略するなら右サイドが良いのでは?と思うかもしれません。しかし、逆にこのエリアは弱点にもなります。

具体的な攻略法としては、以下の手順で攻め入るイメージです。

①コロンビアからボールを奪ったタイミングで、トップ下(ないしは2トップの一人)がサイドに流れる

②その流れた選手が、サイドバックの背後をカバーしたボランチの前でわざとボールを受ける

③トップ(ないしは2トップの残りの一人)もセンターバックの外側にポジションを取る

④そこで起点を作り、逆サイドの選手も含めてゴール前に攻め上がる

とは言え、そうそう何度もこの形が出来るわけではないので、訪れた時はまさに千載一遇のチャンスです。

そのため、「ここぞ」の場面でチームが共通意識を持って「やり切る」ことが重要になりそうです。