ペケルマンが掛け違えたボタンと、日本の的確な修正

ハメス・ロドリゲスの投入は、ペケルマンにとって「キンテーロをピッチに残す決断」とセットとなるものだった。攻守に献身的に走り回ったキンテーロを下げ、絶対的なエースを投入。勝ちパターンに思われた采配だが、10人のコロンビアにとっては「負荷の増大」が深刻となる。

ハメスが高い位置を取って4-3-2になると「日本代表の両サイドバックへのプレッシャー」が弱くなり、そこにボールが入る展開になる。後半、左右に揺さぶりながらコロンビアを引っ張り出すようなポゼッションにシフトした西野監督の采配は正しく、4-3-2で攻めこもうとしたペケルマンの「驕り」と「焦り」によって試合が動く。

10人の相手に焦って攻め込むのではなく、冷静に数的優位を活用しながら試合を進めた日本に対し、ハメス投入後のコロンビアには焦りが充満していた。当然10人で耐えなければならない時間が長いことでの疲労感もあり、そこでさらに日本のパスワークに振り回されるのは拷問に近い。

少ない人数でゴールを狙わなければならない状況でのハメス投入自体は間違いではなかったが、10人であることを考慮すればペケルマンは彼に「王様」として振る舞うことを許すべきではなかった。途中交代のハメスをサイドハーフとして走らせ、少なくとも4-4-1は保たなければならなかったのだ。

日本人選手はあるスペースでプレッシャーが弱まれば、そこを利用して次々にボールを動かすテクニックを武器にしている。さらにカルロス・バッカの投入で5-2-3にすると、バランスは完全に崩壊。コロンビアが10人で保っていたギリギリの緊張感は失われ、日本は余裕を保ちながら試合を終わらせた。

コロンビアを破った歴史的なゲームは、奇跡として語り継がれるだろう。それに加え、この試合は日本代表にとっての課題を明確化する重要な節目となった。内容を冷静に分析し、次の試合や育成に活用することが、近い未来の成功に繋がっていくに違いない。

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