■有事に問われるのは…
ここまで4人のキーマンを挙げたが、選手たちの力を最大限引き出しているのがタヴァレス監督だ。
豊富な指導歴を誇るブラジル人指揮官は、フォーメーションを固定せず、時々に応じた布陣を採用して持ち駒を活かす術に長けている。カルロ・アンチェロッティ(ナポリ)やマッシミリアーノ・アッレグリ(ユヴェントス)と同じタイプだと言えるだろう。
現行の3-5-1-1も理に適った布陣である。飛び抜けた得点力を持つイバを絶対軸とし、サポート役にL・ドミンゲスを指名。これにより、イバは孤立することなくフィニッシュに集中できる環境が整ったのだ。自由に動き回るL・ドミンゲスにとっても、サイドよりトップ下で起用された方が持ち味を発揮しやすいはずだ。
この両者は年齢的な面を考えても、攻守にエネルギッシュに動き回ることが厳しい。ハイプレスを用いることが難しいのであれば、最終ラインを低めに設定し、ロングカウンターを仕掛けた方が理に適う。
カウンターであれば北爪のスピードも活かせるし、キープ力のあるイバ&L・ドミンゲスも生き生きとプレーできる。まさに適材適所の人材配置なのだ。