一方の攻撃に目を向けると、高さのあるウェリントンが持ち味を発揮できなくなっているのが気がかりだ。

前述の通り、渡邉とのコンビで存在感を見せたブラジリアンも、16節の長崎戦で今季5点目を決めて以来、ノーゴールと苦しんでいる。

ウェリントンがゴールを奪えなくなったのは、イニエスタの加入と無関係ではない。

今なお世界有数のプレーメーカーである背番号8へボールが集まり、またポゼッションへの意識がより強くなったチームは、以前よりもグラウンダーのパスをつなぐシーンが増えた。

屈強なフィジカルを誇り、リーグ屈指のエアバトラーであるウェリントンにクロスが供給されるシーンが減り、それに伴いゴールからも遠ざかったのである。

グラウンダーのパス交換で局面を打開するのが指揮官の理想だろうが、それでは“宝の持ち腐れ”となってしまう。現陣容には正確な左足を武器とするティーラトンもいるだけに、クロスを効果的に使った攻めも増やしたいところ。そうすれば、同じく高さが売りの長沢駿も能力を発揮できるはずだ。

来シーズン以降につなげるためにも、残り4試合となったリーグ戦での最大目標は「J1残留」となる。

17位・柏レイソルとの勝点差は4と決して楽観視できる状況にはない。本格的な戦術的工事は来季へ持ち越し、今は残留へ向けた方策に最優先で取り組む。それこそが、今の神戸に求められる最善の一手だと言えるだろう。

2018/10/27 written by ロッシ

【厳選Qoly】戦術完成度はNo.1!スキッベ体制3年目、充実のサンフレッチェ広島が「相手の予測を上回る」理由。

日本人がケチャドバ!海外日本人選手の最新ゴールはこちら