守備の強化と攻撃の停滞
ケイロス監督は就任から数年をかけてマハルダード・プーラディやペジマン・モンタゼリ、ハシーム・ベイクザデーのサイドバック起用を推進し、攻撃的なホスロ・ヘイダリやイフサン・ハジ・サフィを中盤に上げた。
中盤も重鎮ネクーナムやテイムリアンを中心とした手堅い3ボランチで、ディフェンスで強みを見せる構成。
これによってイランはこれまでになく「守れる」チームになり、ワールドカップではリオネル・メッシ擁するアルゼンチンを相手に終盤まで耐える健闘を見せる。
ただその一方で点取り屋が今ひとつ。期待されたアンサリファルドが伸び悩み、オランダ出身のグーチャンネジャドも思ったほどの活躍はしなかった。
このカルロス・ケイロス体制最初の数年は、4-3-3のワントップだけが全く固定できずにいた。2015年のアジアカップでは若きサルダル・アズムンが抜擢されたが、怪我にも悩まされて不調となり、ライバルであるイラクを相手に涙を呑んだ。