栄養不足だった説
韓国のサッカーといえば、兵役の問題は避けては通れない。
一見すると普通の自由主義国家のように映る彼らだが、1950年に始まった南北の朝鮮戦争は「休戦状態」にあるというだけであり、一般国民の男子は兵役の義務が課せられている。
兵役は選手のキャリアを中断させ、それによってチームの戦力を削いでしまう負の側面があるが、反対に、兵役免除という「ニンジン」をぶら下げることで選手がいつも以上に頑張ることもある。
トッテナムで活躍するソン・フンミンが近年、わざわざ海外から年代別の国際大会に参加したのも、敗退の際に涙を流して悔しがったのもそれが理由である。
ちなみに兵役を免除されるのは五輪(3位以内)とアジア大会であり、ワールドカップとアジアカップは含まれていない。これは五輪とアジア大会があらゆる競技を対象とするのに対して、後者の二つはサッカー単体の大会であり、公平性に欠けるとの理由だ。
そう、アジアカップにはニンジンが足りないのだ。韓国人は情熱的な民族である。彼らの胸を熱くするような条件がぶら下がっていれば、全てを燃やし尽くすほどに戦っていただろう。