■エース離脱の危機を乗り越えろ
新機軸がハマりつつあり、上昇気流に乗り始めたチームにおいて、最大の心配事が1つある。それは、エース・都倉賢の負傷離脱だ。
都倉は11節の横浜F・マリノス戦で負傷し、前半途中でベンチに退いた。試合から3日後の5月14日に全治8か月の診断が下ったことがリリースされたが、診断結果から考えれば、今季中の復帰は絶望的となった。
今季開幕前に北海道コンサドーレ札幌から加入した都倉は、恵まれた体躯を活かしたエアバトルが売りの大型FW。今季のリーグ戦でのゴール数は1にとどまっていたが、空中戦の強さと巧みなポストプレーでターゲットマンとなっていた。チームにはクロッサーの丸橋と水沼、ロングスローの使い手である藤田と片山がおり、彼らの持ち味を引き出す意味でも離脱は大きな痛手である。
このピンチにロティーナ監督は、B・メンデスを2トップの軸に据え、その相棒に高木または奥埜を起用する形を取っている。高木、奥埜そして本来はエース格の柿谷はいずれも都倉とプレースタイルが異なる。彼らの特長に応じた攻め方を構築していく必要があるのだ。
B・メンデスの相棒は戦況や相手との相性に応じて流動的になっていくと予想されるが、特に上位チームとの対戦時には、奥埜を2トップの一角に配するのが最善策となりそうだ。
ハードワークが魅力で、状況に応じたプレーができる背番号25は、“攻守のリンクマン”として潤滑油的な働きでチームに貢献できるからだ。
そしてもちろん、柿谷にも期待したい。本来なら主力としてエース級の働きをすべきタレントで、なによりチームの看板選手でもある。卓越したテクニックとアイデアは国内屈指なだけに、継続的にピッチへ立ち、チャンスに絡む姿をやはり見たいところだ。
2019/5/26 written by ロッシ