宮崎:週末スタジアムに家族で来るというモチベーションができる場所なんではないかと思いました。イオンモールという施設も近くにありますし、試合が終わった後に夕ご飯を食べに行こうみたいな。

矢野:そうですね。アンケート調査をしたところ、試合が終わった後に40%ぐらいの方がイオンモールに寄って帰る、という結果も出ているんですよ。

宮崎:私も雨に濡れてちょうど着替えを買いに行ったんですが(笑)、そこにサポーターの方が結構おられて。しかもこの後19時からサイン会をやられてるんですよね。試合の後にサイン会ってタフですよね。

矢野:そうですね、タフです。監督と選手にお願いして、毎試合必ず3名の選手にサポーターの皆さんと、交流していただいています。

――Jリーグのクラブでも試合後に集まれる場所って限られてますよね。イオンモールがその役割を果たしてくれているような感じはありますが。

矢野:おかげさまで、非常に“密”にやらせていただいています。

私たちが自前でお借りできる駐車場は、全部で2,000台分なんです。周辺にそれぞれ800台、1200台止められる土地があります。加えて、イオンモールさんに相談したところ、「ご来場者様も停めていいよ」と。

イオンモールさんからしても彼らはお客さんになるんですよね。そのこともあって、ありがたい協力関係になっています。今後、さらにそこに大きなもの(スタジアム)を建てるとしたら、ここのエリア全体で皆さんが楽しんでいただける空間作りを一緒に作ってていかなければならないと。

宮崎:矢野社長のスポーツ運営に関する記事を拝見させていただいたんですけど、それがこの一帯の事業について、データの分析などを含めたビジネスモデルを考えられているという内容でした。近隣施設のお客さんの動向などを追いかけていたりするんでしょうか?

矢野:基本的にはまだクラブとイオンモールさんだけに留まっていますね。

今日は駐車場の撮影をしていたんですが、駐車場での車の混み具合や循環バスが今どこを走っているかなど、そういうデータを皆さんにお渡しし、歩こうかバスに乗ろうかタクシーを呼ぼうか、各自で取り組みができるようにデータ提供についても考えています。

どんな年代の人がどんな試合の時にどんな方法で来てくれているのか、まずはデータを取るところもしっかりやっています。連携とか、それをどう生かすのかというところはこれからですね。

宮崎:お客さんの動きは読み辛いですよね。他のクラブさんでそういうのお伺いしたことがなくて、面白いなと思いました。

矢野:そうですね。私たちが今から上に上がっていくというところでのデータ、小さいところから積み重ねていくというところに面白みを感じていただいてる企業さんがいらっしゃるので一緒にやらせていただいています。