「リアルサカつく」を支える地元の人々

宮崎:今治といえば今治タオルが有名ですが、試合前にグッズ店を覗いた時にタオルマフラーがあって、「これ絶対、今治タオルだな!」と思って買ったんです。

そしたら当たりだったのでめっちゃはしゃいだんですけど(笑)、やはりこういうブランディングって売り上げに反映されるものなんでしょうか。

矢野:そうですね。Jリーグさんのクラブも含めて今治タオルの各社がかなり食い込んで頑張っています。

今治という町は年中、いろんな会社が「タオルフェア」みたいなものをやっていて、安く買えたりします。タオルを買って誰かにあげるという文化も全国的に広まっています。今後もっと新商品的なものの開発も含めて一緒にやっていきたいと思っています。

宮崎:大体ギフトとかで貰うタオルが今治タオルなんですが、試合のタオルマフラーが今治タオルだとこれそのものがギフトとして成り立つなと。ブランディングとして強みの一つなのかなあという気がしました。

矢野:そうやって期待していただけるということは、もっと生かさないといけないことだと思います。「サカつく」ではスポンサーもあるんですかね?

宮崎:はい。スタジアムに置く出店や、家庭用ゲームのほうはサポーターズ・カンファレンスや公約なんかもありますね。「昇格」や「一流の選手を連れてくる」みたいな。公約を守らないとサポーターの数が減っちゃう仕組みもあったりして(笑)。

――FC今治ではそういった取り組みはされていますか?

矢野:3年前からシーズンが終わった後の年末にサポーターズ・ミーティングを始めました。いただいたご指摘やご意見を全部まとめて、実現できるものはすぐ実行するということをやり始めたんです。

すると、クラブは聞く耳を持ってくれているんだねということで、評価いただきました。それに、VOYAGE(ボヤージュ)というボランティア組織がありまして、正直、“できる”人たちが多いんですよ。

今治は平成の大合併で12市町村がくっついて、それまでそれぞれの町で、いろいろな活動を支えていた方々がいるので、その人たち自身や次世代の人たちがうちのボランティア組織の核となっていただいています。

そのVOYAGEのメンバーはファンからの声をよく聞いていて教えてくれるので、その声に対応しているとファンの方たちは「よく分かっているね」「いいことやっているね」みたいな反応をいただきます。

宮崎:町内会とか町の活動などには積極的に参加されているんでしょうか。

矢野:これからです。3年前から始めたんですけど、町内会ってご年配の方が取り仕切っていらっしゃることが多いですよね。自治会長がいて、公民館長がいて、婦人会長、敬老会長、老人会長、PTA があって…すごい組織なんですよ。

僕らが皆さんの活動に貢献してはじめて協力しようと思っていただけます。25の校区のうち、良い関係ができているのは5つぐらい。普段からしっかり活動されている組織のほうが協力関係を結びやすいという感じはあります。

残りまだ20くらいは、そういう人たちと日常的に向かい合うようなことができていないので、それがこれからの課題ですね。ゲームではそういうのもあるんですかね?

宮崎:自治会まではないですね。ないですけどアリだな(笑)。

矢野:アリだと思います(笑)。それこそファジアーノ岡山の前代表だった木村正明さん、現在はJリーグの専務理事をやられていますが、彼なんて「とにかく全部回った」って言ってましたよ。

宮崎:私は神奈川県に住んでいるんですけど、商店街のとある新聞屋さんとかにポスターを貼るような活動が、去年なかったのにいきなり増えたみたいなところが垣間見えたりするんですよね。そうすると、この町内会に、あるいはこの商店街についに進出したなって。けっこう体力勝負ですけど。

矢野:おもしろいですね。最近の傾向としては、若い人が自治会に入らないケースもあるようですね。だから自治会がその人たちと十分にコンタクトとできていないなど、世の中の変化を投影しています。

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■公式Twitter:https://twitter.com/sakatsuku_com

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