――日本サッカーのシーズンはここでいったんオフに入ります。その間、ミラ監督はやはりリーガ・エスパニョーラの試合も観られると思います。注目のチームがあれば教えてください。
「特別にこのチームというのはなく、どのチームにも特徴があるので注目しています。実は12月中にスペインへいったん帰国するので、その時にバレンシアやレバンテ、アトレティコ・デ・マドリーのトレーニングや練習施設を見学して、自分のスキルのためにも勉強したいと思います」
――バレンシアへ行かれるということは、同じ州のビジャレアル・佐伯夕利子さん(※)にも会われるのですね?
「良いですね!それは企画しておきたいと思います!(笑)」
※佐伯友利子:スペインの男子サッカー史上初の女性監督となった経験を持つ指導者。現・ビジャレアルCFスタッフ、Jリーグ特任理事。鈴鹿にミラ監督を推薦した人物でもある。
――リーガ1部でプレーする18歳、日本代表MF久保建英選手(レアル・マドリーからマジョルカへのレンタル移籍中)は活躍していけるのでしょうか?
「正直、私はまだ彼が出場している試合をしっかりと観れたのは3試合ほどなのですが、それでもスペインでやっていける良い選手なのは見てとれます。特に試合の中で技術的に“違い”を出せる選手であることはすぐに分かります。より目立つ活躍ができる、“より良い選手”になるためには、あと少しだけフィジカル的な能力を上げる必要があるのかな、と思います。とは言っても、現時点でも間違いなく良い選手です」
――それでは1年間応援を続けてこられたサポーターの皆さんへのメッセージをお願いします。
「私はアンリミテッドサポーターを本当に大切に想っています。青森や仙台、宮崎のような遠いアウェイ戦にも駆けつけてくれて、ホーム戦とも変わらない応援を続けてもらっています。そんなサポーターの方々がいることを幸せに感じています。来シーズンも皆さんと一緒に戦えることを楽しみにしています。ヨロシクオネガイシマス」
日本の男子クラブでの監督就任については、「まず、海外で監督をしたかったのが1点。そして、海外でやるなら男子チームを希望していた」というミラ監督。そのうえで、「プロサッカー監督を目指す女性だけでなく、何かしら夢を持っている女性の皆さんに勇気や元気を与えられる存在になりたい」と言うのが現在のモチベーションになっていると言う。
来季のミラ監督と鈴鹿アンリミテッドFCの挑戦を楽しみにしたい!
【プロフィール】
ミラグロス・マルティネス・ドミンゲス
Milagros MartÍnez DomÍnguez
鈴鹿アンリミテッドFC 監督
1985年4月23日生(34歳)
カスティーリャ=ラ・マンチャ州出身(スペイン)
現役時代はDFとして主にスペイン女子2部でプレー。2007年から指導者に転身。アルバセテ・バロンピエの女子チームや下部組織で監督やコーチ、スタッフを歴任。2018年夏からアトレティコ・トメロッソ(スペイン)の女子チームを率いていたが、待望していた海外クラブからのオファーがあり、2019年1月に鈴鹿アンリミテッドの監督に就任。UEFAプロライセンス(日本のS級相当)を保有。
■COACHING CAREER
2007-2009 アルバセテ・バロンピエ U6~U12男子コーチ
2011-2014 アルバセテ・バロンピエ U18女子コーチ
2013-2017 アルバセテ・バロンピエ 女子チーム監督兼GM
2017-2018 アルバセテ・バロンピエ コーディネーター&スポーツディレクター
2018-2019.1 アトレティコ・トメリョソ 女子チーム監督
2019.1 鈴鹿アンリミテッドFC 監督
写真・SNS提供:鈴鹿アンリミテッドFC