それからほどなくして、6枚目の画像が送られてきた。
ここでも★5が当たらず。いくら「持ってない」にしてもほどがあるというものである。
「あかん、やっぱりQさんは持っとらん。だから会社もなかなか軌道に乗らないんや」
コリーは設立からおよそ15年、ウェブサイトのQolyとしてはおよそ10年であるが、思えば苦難の連続であった。そんな、これまで会社が歩んできた道のりに重なり、私の心はこの寒い冬空のようにのようにどんよりとしていた。
そこに再び携帯にメッセージが入る。
「ふん。どうせまたゼロやろ」
半ば諦めの気持ちでスマホのボタンを押し、確認する。だがその画像を見た瞬間、私は自分の目を疑った。
え、え?突然なに?
ここまで散々だった男に、神が舞い降りた。ラッキー7の7回目の挑戦で、なんとメッシを引き当ててしまったのである。
目を疑い、言葉を失った私の携帯のもとに、再びQからメッセージが届く。
「まさかの7連目でメッシ、サンチョきた」
本当にまさか、まさかである。
ただ振り返るとコリーも設立以来、何度も厳しい場面に遭遇してきたが、そんな時にいつもこんな幸運が降り注いだことでどうにか15年もやってくることができたのであった。
「神様はワシらを見捨ててなかったんや…」
まさに聖なる夜に訪れた、サンタクロースからのクリスマスプレゼントだったといえよう。
ふと我に返り、こんな“持ってない男”でさえメッシが当たったのにもかかわらず、15回もやって出ていない自分は何なのかと思った。
電話の向こうでQはきっとドヤ顔をしているのだろう。そのことにちょっとイラついている自分がいた。
だがまあいいではないか。これでほうぼうに顔が立つ。来年は東京五輪も開催されるが、きっとQolyも安泰なはずである…。
そう自らの心に言い聞かせているうちに、夜の漆黒は一段と深みを増し、聖なる日は終わりを告げていった。
~完~
ということでまだあと数日ありますが、本年もありがとうございました。令和2年となる2020年もQolyを何卒宜しくお願い致します。
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