別のベクトルで「走っていない」セレッソ大阪
最後に、Jリーグが公開している主要なトラッキングデータのもう一つ、【スプリント回数】のランキングも見てみよう。
これは出場選手が時速24km以上で走った回数の1試合平均。括弧内は参考までに昨季のデータだ(※柏と横浜FCは昇格組のため無し)。
■J1 2020シーズン・スプリント回数
1 208(172) 湘南
2 188(193) 横浜FM
3 176(149) 浦和
3 176(156) 鳥栖
5 175(176) FC東京
6 168(161) 札幌
7 167(162) 神戸
8 164(170) G大阪
9 163(166) 鹿島
9 163(-) 柏
9 163(145) 川崎F
12 162(-)横浜FC
12 162(161) 大分
14 161(158) 仙台
15 155(147) 名古屋
16 154(153) 広島
17 152(153) 清水
18 130(137) C大阪
監督交代などによっても変化が出てくるデータだが、今回取り上げた川崎、さらに昨季途中から現在の監督が指揮を執る湘南や浦和、鳥栖が顕著な伸びを見せている。
一方、体制が継続しているチームは変化なし、あるいは戦術の熟成もあってか減っているケースが多い。
その中でも面白いのは、今季唯一開幕3連勝を達成したセレッソ大阪だろう。1試合平均130回は、17位の清水より20回以上も少ないダントツの最下位。走行距離でも8位と真ん中あたりにつけており、データ的に過密日程向けの戦い方をしているチームの一つと言えそうだ。
「先制されたら勝てない」という明確な課題こそあるが、昨季J1最少失点で5位に入ったミゲル・アンヘル・ロティーナ監督率いるチームは今季も注目の存在だろう。
というわけで、まだ4節が終わったばかりではあるが、トラッキングデータを見ながら気になったチームをお届けした。
Jリーグは7月1日、Jリーグ競技パフォーマンスデータの呼称を「J STATS」とすることを発表。
ファン・サポーターやサッカーに関係する多くの人々に、データをより身近に、親しみやすいものになるよう、またデータによる新しいサッカーの楽しみ方の提供や日本サッカーの強化・育成・普及への貢献を目指し、改めて名称が付けられたという。
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各種データはJリーグ公式の「成績・データ」で誰でも見ることができる。
トラッキングデータは試合終了の2時間後にはだいたい更新されているので、スタジアムやDAZNで観戦したあと、ぜひデータ的な面でも自分なりの見方でJリーグを楽しんでみてほしい。