――コロナによりグッズの売上は前年比でどのような変化がありましたか?

グッズ売上のうち、スタジアム物販での売上が大きなウエイトを占めているので、入場者数の制限やコロナによる出控えなどにより来場者数が平時の3分の1になり、それに比例して年間の売上に関しては減っています。

来場者の減少を見込んだ中で、戦略的にMD組みを仕掛け、商品デザイン、発売時期、価格帯など発売する新商品のラインナップを例年以上にブラッシュアップし、数試合ではJ2時代の試合と同額規模の売上を上げることもできました。また、試合毎に設定している、消化率、販売率、CVRなどのKPIを見ながら商品ごとの反応も定量的に判断し改善に努めています。

一方で、オンラインストアに関しては、スタジアムに来れない県外のサポーターの購買や受注商品を増やしているなどの戦略もあり、非常に好調に推移しています。

――松本山雅FCは「純喫茶山雅」がクラブ名の元になっているなど様々なストーリーを持つクラブです。『YMG』アパレルコレクションの軸として何を大事にしていますか?

今回のコレクションだけでなく日々大切にしている考えとしては、どうやったらサポーターの方が喜んで頂けるか、感動して頂けるか。その考えをもっとも大切にしています。

また、ラインナップ、デザインなど他クラブの商品ラインナップもベンチマークすることもありますが、同じ商品、メーカーさんを使ったとしても可能な限り『松本山雅らしさ』も追い求めます。今回のロゴデザインに関してもトレンドの書体風ではありますが、その中にも長野県の県木である『白樺』の木の表皮模様を取り入れるなどサポーターが少しでも共感、愛着を持って頂ける要素を入れています。

今回のコレクションも、日常生活の中で「そのデザイン何?どこの?」となった際などの何気ないコミュニケーションに繋がるきっかけになると良いと思っています。