ダビド・トレゼゲ
ダビド・トレゼゲは、卓越した決定力と勝負強さを持った21世紀を代表する点取り屋だ。
フランス代表では控えの時期も長かったが、2000年欧州選手権の決勝戦で母国を優勝に導くゴールを記録。クラブではユヴェントスのエースとして一時代を築いた。
選手としては典型的なボックスストライカーで、彼に課された役割は限られていた。しかし研ぎ澄まされた感覚、ゴールを決め切る技術は彼の右に出るものはいないというほど神がかっていた。
また、ポジショニングのセンスもずば抜けていた。
終生のライバルだったティエリ・アンリと同僚だったモナコ時代、こぼれ球がことごとくトレゼゲの前に転がったことをアンリが嘆いた話はあまりにも有名だ。
そんな彼の両親はアルゼンチン人で、トレゼゲも実はアルゼンチンでプロデビューしている。ただ出生国であるフランス代表に入る以外の選択肢は頭になかったそうだ。